
ずっと以前観た、フランス映画の一場面が強く印象に残っています。
初老の男に扮したジャン・レノが、ツイードのジャケットの襟を立てて、バーのドアから静かに入ってくる。
誰もいないカウンターに腰を下ろし、掛けていたオレンジ色の眼鏡を両手でゆっくり外し、
「コニャックを1杯くれ」
そして、出されたグラスをじっと見つめているのです。
メチャメチャ、シブいんですよ。
この映画を観て依頼、オレンジ色の眼鏡に憧れていました。
しかし、若いときはチャラけていてダメです。
歳を重ねてから手に入れようとずっと思っていました。
そして等々作っちゃいました。
念願の、オレンジ色の眼鏡です。
もう少し寒くなったら、ツイードのジャケットを着て、おでん屋のカウンターで、
「コンニャクを1つ」
と、しわがれ声で言ってみるつもりです。