
『なぜ日本人はご先祖様に祈るのか』(ネルケ無方/著、幻冬舎/刊)である。
元キリスト教徒のドイツ人禅僧・ネルケ無方氏の目から見た(外様)、日本人の生死感論である。
人間誰でも、いつかは死が訪れる。
日本人は、生と死を厳密に分けず、つながっている感覚を持っている。
それ故、自分の一応の死をどのように締めくくるか「終活」に勤しむ人も増えている。
就活、婚活、妊活、終活と、何事にもがんばる日本人は、死を迎えるときまでがんばりすぎる。
そんな日本人に
「心配しなくても、死ぬときがきたら死ぬから大丈夫だよ」
とネルケ無方氏は言ってあげたいと語っている。
小学生の時の事を思い出した。
先生がこう教えてくれた。
「人間は、それぞれ無くてはならない存在なのだ。
それは時計の部品のように、たとえ小さな歯車であっても、それがなくなれば時計は動かなくなる。
だからみんなもかけがえのない大切な命なんだ」
しかし、時計の歯車はそうであっても、大切な人が一人亡くなっても、やはり何時もと同じように朝は来るし、電車も動いている。
自分が居なけりゃ社会(家)は回っていかないと思っているのは自分だけで、居なくなったってちゃんと社会(家族)はやっていけるものだ。
「終活」なんて、頑張らなくていいのだ。
? Have a nice life ?