多くの学識者は、一番の読書家は徳川家康だろうと推測しています。
その膨大な蔵書は、将軍を辞して後にも、代々の将軍に受け継ぐよう支持しています。
将軍のみならず、利用を基本とするが、それだけでなく老中、若年寄はじめ幕府の諸奉行、学者等にも利用を勧めています。
蔵書は数万冊にも及び、「日本書紀」「建武式目」「論語」「史記」など和漢を問わず、特に鎌倉幕府の将軍記「吾妻鏡」を愛読し、源頼朝のことをよく話したようです。
その影響でか、有力大名達も、藩に文庫(図書館)を設けて、藩内の教育に力を注いでいます。
江戸狂歌に、
「織田がつき、羽柴がこねし天下餅、座りしままに食うは徳川」
と歌われたように、家康が読書で歴史や兵法を学んだ結果が、徳川300年の世を築き、維持した根本にあったのでしょう。
戦乱の世を生きた家康は、争乱の収拾には、道理を普及する文治政治が大事と、
「書籍より外にはなし」
と記したそうです。
現政治家は、武断政治(武力を背景にして行われる専制的な政治)ではなく、文治政治(武力によらず、教化・法令などによって世を治める政治)に学ばねばなりませんね。