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「昔はよかった」と言うけれど: 大倉 幸宏 (著)


「最近はモラルが低下している」

「公共の場でのマナーがなってない」

「人付き合いが希薄になった」

「道徳心がない」

「昔はこんあことななかった」

最近よく聞かれる言葉です。

政治家や論客の中には、戦後教育のせいだと決め付ける人もいます。

年配の人は、修身や教育勅語が学校教育に於いて無くなったからだという人もいます。


表記書の著者、大倉幸宏氏は、明治期から戦前までの世相を新聞記事や文献で調べてみると、

・列車では人を押しのけ席を奪う。

・道や川に平気でごみを捨てる。

・公園の花を抜いて持ち帰る。

・運送業者が客の荷物を抜き取る。

・鶏肉にウサギ肉を交ぜて売る。

・年老いた親を虐待する。

などということが戦前まで頻繁にあり、当局が何度も警告を出すほど、社会問題となっていたといいます。

まるで、どこかの国のようです。

昨今の問題点を認めつつも、

「戦前の人たちよりも、今の方が高い道徳心を身に付けている」

と、著者は断言しています。

人は、過去を正当化、美化する傾向があるようです。

特に今日の政治家達に、その傾向が見られます。

過去の歴史認識をも含め、古き良き時代への幻想(?)に浸らず、現代の価値観を持って未来を構築しなければ!