8月15日の玉音放送で、果たして戦争は終わったのか。
終わったから始まった戦争があった。
千島列島の最北端、北海道東端から1200km、ソ連との国境の小島、占守島(シュムシュトウ)の戦いである。
玉音放送後の17日深夜、ソ連領半島から突然砲撃を受けた。
日本が終戦を公表したにもかかわらず、不可侵条約を一方的に破棄したソ連軍が攻撃をしてきた。
すでに在島日本軍は武装解除の最中であった。
在島日本軍は、やむを得ず自衛的戦闘と位置づけ応戦した。
翌18日、ソ連軍が占守島に上陸してきた。
日本軍圧倒的優位であったが、軍司令部の戦闘停止命令に従い21日降伏停戦した。
23日までの停戦及び武装解除までに両軍併せて3000人の死者が出た。
24日以降、ソ連軍による千島列島占領行動が開始され、9月3日全列島が占領された。
11月以降、敗戦国捕虜となった日本兵達は、シベリア、カムチャッカに抑留され強制労働を強いられたのである。
今もこの北の小島には、旧日本軍の戦車、大砲、軍施設が吹きっさらしの草原に放置されている。
ロシア軍は、本年8月12日、今秋のプーチン大統領の訪日が予定されているにもかかわらず、国後、択捉両島を含めた北方領土と千島列島で、千人以上が参加する軍事演習を開始した。
これにより、当然大統領訪日は絶望的になった。
ウクライナ危機を巡って日本が対ロ制裁を科したことへの報復行動であろう。
どうもロシアの持つ世界的価値観は、昔からズレているようだ。
ロシアで領土や国防に関する意識が高まる中、隣接国だけに不安が募る。