
水屋をゴソゴソ見ていたら、こんなお茶碗が出てきました。
箱書きの銘は「沙羅」とあります。
ナツツバキともいわれる沙羅の絵付けがされています。
さらに箱には出身大学の名前があります。
きっと、在学中に大学からいただいたものなのでしょうが、全く記憶にありません。
成績優秀賞か、善行賞か、貢献賞か、はたまた優秀論文賞で貰ったものなのだったのか。(笑)
この花は沙羅双樹ともいい、すぐに思いつくのが、
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす・・・」
の平家物語ですね。
京都には、庭に沙羅双樹を植えてある寺院が多くあります。
咲いている花もさることながら、そのまま落ちて青い苔の上で白く輝いているのを鑑賞するのです。
梅雨時に白い椿のような花を咲かせ、朝咲くと夕方には散るというというところから「一日花」とも言われています。
「今日なすべきことを明日に延ばさず、確かにしていくことがよき一日を生きる道である」
「一日だけの生命を精一杯咲き尽くす」
というお釈迦様の教えと、その沙羅の花のすがたとは相通ずるものを感じるのでしょう。
今日は、このお茶碗で一服戴きますか。
ちなみに、うちの愛犬の名前は、沙羅(サラ)といいます。