今読んでる本の中に、シェイクスピアの戯曲『マクベス』に関することが出てくる。
マクベスが最初に登場してきた場面での開口一番、
「Fair is foul, and foul is fair.」
(フェアはファウル、ファウルはフェア。)
という台詞があるという。
「きれいは汚い、汚いはきれい。」
とか、
「いいは悪い、悪いはいい。」
などと訳される。
池波正太郎『鬼平犯科帳』では、しばしば、
「人は良いことをしながら悪いことをし、悪いことをしながら良いことをする」
というような台詞が出てくる。
池波正太郎は、マクベスを読んでいたのであろう。
「善きことをしたるが悪き事あり、悪きことしたるが善き事あり」(蓮如)
これは善いことだと思ってしたことで相手を傷つけてしまったり、悪いことかもしれないと思ってしたことでも相手にたいそう悦んで貰ったということがある。
「とかく世の中、生きにくい」ものである。