
昨年10月、日本経済新聞社から、文庫の新レーベル「日経文芸文庫」が、“長く読み継がれる名作を多くの人にお届けするために”をキャッチポピーに全20巻で創刊されました。
その後、月を追うごとに出版されています。
その中から、城山三郎著「男たちの好日」を買いました。
大正から昭和初期、電気化学工業を興すことで「国の柱」になろうと邁進し、その一生を献げた男が主人公です。
そして、彼を取り巻く男たちを描いたものです。
彼らの活躍や苦悩を通じ「男にとっての好日」とは何かを問うた城山作品の代表作です。
城山作品は、ずっと以前に「本当に生きた日」しか読んだ事がありません。
それは、本格化した女性の社会進出を背景に、女性にとって仕事とは何か、人生の充実とは何かを描いたものでした。
経済小説はあまり興味を引かないのですが、
「城山文学円熟期を象徴する、傑作」
の帯の文句に手を伸ばした次第です。