和食に続き、韓国のキムチもユネスコ無形文化遺産登録が決まった。
料理としてのキムチだけではなく、キムチ作りの文化として捉え、冬に備えて分かち合いや自然との共生の大切さを示すとして評価された。
和食を日本人の伝統的な食文化として捉えられたのは、ひとつには「出汁」をとるという文化である。
フランス料理のシェフ達は、日本に来るまで出汁の存在を知らなかったという。
西洋ではブイヤベースなどのように、食材を煮込んで味を出すのが一般的なのである。
「自然の尊重という日本人の精神を体現する社会的慣習」としての和食である。
和食を文化としてみるとは、例えば、一家の主婦が、早朝より、鍋の中に水と昆布を入れて沸かし、さらにそこに鰹節を入れ出汁を取り、具材を入れ、最後に味噌を溶いて味噌汁を作るというのが日本の文化である。
それを昨今のように、鍋に水と具材を入れ、化学調味料(ダシの素)を入れ味噌を溶いて作られた味噌汁を和食と言えるのであろうか。
ましてや、お椀に袋から出した粉末やペースト状の物に湯を注いだ物を和食と言えるはずがないのである。
ユネスコの世界遺産登録を機に、文化としての和食を考え直してみたいものである。