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お座敷での空き時間に
 
『水のかたち』宮本輝著
 
を読みました。
 
とても優しい物語です。
 
普通の主婦の何気ない日常が、ふとしたことから大きく変わろうとしていく。
 
そこに出てくる人達が、とても優しいこと。
 
人生って捨てたもんじゃないなって思わせる人間関係が描かれています。
 
 
実はこの小説、前に上巻だけ読んで、下巻は読まなかったんです。
 
 
「早々人生上手くいくはずがない、何処かでどんでん返しがあるに違いない」
 
と思いながら読んでると、途中で、とても嫌な女が登場してきたのです。
 
アア、やっぱりと思い、その先の下巻は読みたくなかったからずっとおいていました。
 
 
この度、それでもと思って下巻を読んだわけです。
 
 
しかし、嫌な女も中々出てこずに、話はポジティブに進んでいきます。
 
やっと出てきたと思ったら、意外とあっさり退場となりました。
 
 
結局、優しい人間関係を維持したまま物語は終盤を迎えるのです。
 
 
著者の暖かさがよく伝わってくる、読んでてホッとする本でした。
 
 
 
最近こんな優しい本に出合ってなかったので、素直にと読めず、猜疑心を持って読んでいる自分が、
 
「ずいぶん汚れてるんだなぁ!」
 
って気づかされたことでした。