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1923年(大正12年)91日、関東大震災から90年が経った。
 
死者・行方不明者 105千余り、家屋の全壊109千、焼失212千、被害総額は当時の国家予算の14カ月分に達するといわれている。
 
当時の様子を記した、宮武外骨著「震災画報」全六巻が丸ごと復刊し、この度文庫本になった。
 
震災直後の様子を四方山話として書かれている。
 
 
当時、いろいろなデマが飛び交っている。
 
・宮様が飛行機をお召しになって京都御所へご避難遊ばした。
 
・井戸に毒を投げ入れた。
 
・この世を悲観したものが首を吊って、上野公園の樹々には鈴なりになっている。
 
・夜間通行の絶対禁止
 
・◯◯人はことごとく暴徒化している。
 
・首相が暗殺された。
 
・上野動物園の動物たちを避難者達が、空腹のため食べてしまった。
 
・良家の処女がその日の生活困窮から、袴をはいて淫売に出ている。
 
等々、全て無責任な嘘であった。
 
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又、こんな事も書かれている。
 
持って出た家財道具が足手まといになって焼け死んだ人が多かった。
 
いわゆる、人間が持つものへの執着心が悲劇を増大させたというのである。
 
 
西洋に於いては、苦しみ・苦悩は、神が人間に課せた試練だと位置づける。
 
日本では、何処かの誰かが、天罰だと毒づいたが、そうではない。
 
自分の煩悩心(執着心)が招いたものだと、理解するのである。
 
 
ともあれ、90年経った今日、日本人は多くの教訓を、知恵として生きていかねばならないのである。