昨年の10月9日パキスタンで、ある少女が、タリバーンの標的となり、襲撃され、重傷を負う事件があった。
彼女はこの日、下校時のスクールバスに乗っていたところを銃撃され、クラスメートの2人とともに重傷を負った。
マララ・ユサフザイさん、1997年7月12日生まれの15歳である。
同日、武装勢力「パキスタンタリバーン運動」が犯行を認め、原因は彼女のブログにあるとし、「教育権を求める女性の反道徳的活動への報復であり、イスラム法に基づくものとテロ行為である」 と主張した。
彼女は、タリバーンの強権支配と女性の人権抑圧を告発する「パキスタン女子学生の日記」を投稿、女性の教育や権利を否定するタリバーンを批判するブログを書いていた。
その後、英国の病院に搬送され、頭蓋骨修復と聴力回復の手術を受け、手術は無事成功した。
そして、頭蓋骨の損傷部分にチタン製プレートを入れ、左耳の聴力を回復させる装置を取り付けられている。
生死をさまよって、なお、 「神に授かった新たな命は、人助けに捧げたい。」 と語っている。
英国では、彼女をノーベル平和賞の候補者に推薦するよう求めるキャンペーンが行われ、3万人以上の署名が集まり、嘆願書が提出された。
運動推進者は、ユサフザイさんが「性別のみを理由に教育の機会を失っているすべての女性の考えを代弁している」と語っている。
マララを称賛・支援する連帯の声は、フランス、スペインをはじめ、世界中に広がっている。
ノーベル平和賞は、それぞれの国が、自国から候補者を推薦するのが本来であるが、今、国や人種を超えた運動に広がっている。
それは、このことが人類恒久の願いである「平和、人権」についてのことであるからである。
国益という名のもとに、それぞれが持論を主張しあうのでななく、この立場を持って、それぞれの国民は、周辺各国との問題の解決に取り組むべきであると考えるのですが。