「93歳になった。
 
死期はいつかは来るとも覚悟もしているが、思い残す事もある。
 
それが果たせない限り死にきれぬ苦悩がつきまとう。」
 
 
と始まる、新聞の投稿記事が目について、思わず吹き出してしまった。
 
 
この男性、60年前に社内に好きな女性がいたのであるが、言い出せないまま、縁あって他の女性と結婚をした。
 
その女性も、他の者と社内結婚をし、自分も退社したため、いつしか疎遠になったのだという。
 
しかし、いまだにその女性の事が忘れられないのだそうだ。
 
3年前に妻を亡くして以来、思いは募(つの)るばかりで、夢にまで見るのだという。
 
 
「今は、彼女の安否をどうにかして知りたく、執念で余命を持たせている次第である。」
 
と締めくくられている。
 
 
93歳の老人の書いた、
 
「60年前の恋の思い、死にきれぬ」
 
と題された投稿記事、人生の終演を前に、毎日こんな事に心悩ませながら生きているって、どう思いますか?
 

☆読み方にも色々あります。

誰の立場に立つかで違います。

本人の立場、亡くなった妻の立場、子供の立場、彼女の立場、第三者の立場等々。


さて、あなたはどの立場で考えますか?