
昨日の朝、Amazon.co.jp にて本を注文した。
夕刻には配達されてきた。そして、手数料、送料は無料である。
最近はよくこの方法で本やCDを購入する。
これは、本屋に行くより確実であり、便利なので重宝する。
"「語る人」吉本隆明の一念" 松崎 之貞著 光文社¥ 1,575
である。
思想家吉本隆明氏は多くの著書を残して、本年3月16日に往生された。
氏が、「書く人」から「語る人」に転身したのは、高齢になり、白内障による極端な視力低下からであった。
身体の不調はあるけれど、その鮮明な思考力は衰える事がなかった。
その表現方法を、執筆から口述に変えたのである。
この本は、氏の「語り」を担当20年の編集者であった松崎之貞氏が著したものである。
吉本氏の著作で知る事の出来ない、人間吉本隆明がよく見えてくる本である。
私の知人は、ある病から全盲になり、本を読む事が出来なくなった。
そこで、奥様が彼の欲する本(学術専門書)を代わりに読んで聞かせるという事により、彼は数々の論文を書く事が出来たのである。
又、別の知人は、声帯を失った為に、研究発表、講演活動が出来なくなった。
その為、以後は執筆活動に専念され、沢山の著書を残された。
それぞれの障害を乗り越えられ、自己表現を継続された素晴らしい方々である。
今自分が、視力、声帯等を失う事になったら、果たしてこのような生き様が出来るであろうかと考えると、心細く思えてならない。