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日本文学界の重鎮、丸谷才一氏の訃報を知ったのは、昨日、旅先淡路島での朝刊ででした。
 
 
昨年、文化勲章を受章された時は、晴れやかな表情で、喜びを上品に表されておりました。
 
 
大新聞と政府と女性論説委員の攻防をつぶさに描かれた、小説「女ざかり」は、氏の特徴である歴史的仮名遣いを使用された、無駄のない、計算されつくされた、丸谷文学の名作だと思います。
 
 
氏を一言で言い表すなら、知的、上品と言うことが出来るでしょう。
 

又、今回のノーベル文学賞で話題になった、村上春樹氏の才能を早くから見いだし、彼のデビューを群像新人文学賞において激賞し、受賞こそしなかったが、芥川賞の選考においても、彼を強く推薦したのも氏でありました。
 
 
 
 
 
「暗澹(あんたん)たる昭和期にいささかの功績があったとすれば、それは『源氏物語』を花やかに讃えた時代であったと思う。」
 
と言う氏の言葉に触発され、源氏物語を読み始め、瀬戸内寂静の存在を知って、読むのを止めた、私でした。