村上春樹氏がノーベル文学賞を受賞出来なかったことは、自称ハルキストとしては誠に残念なことでした。
しかし、iPS細胞研究で山中伸弥氏が受賞したことは、大変素晴らしいことでした。
山中氏の会見で明らかにされたこととして、
「理論上は、人間の生命を作り上げると事は出来る。しかし、問題は、人間がどこまで神の領域に入り込んで良いものだろかって言うことだ。」(要旨)
という問題です。
具体的に言うと、子供が欲しいのに、恵まれない夫婦が、夫婦、もしくは片方の細胞(遺伝子)とiPS細胞を結合させることにより、子供を生産することが出来るのです。
しかしながら、科学技術が、神の領域とされる、自然なものにどこまで踏み込んで良いものかという、ボーダーラインが科学者には見極めがつかないと言うことなのでしょう。
確かに、その昔、ノーベルがダイナマイトを発明したおかげで、山が切り開かれ、道が出来、街が出来、豊かな暮らしが出来上がったのです。
その反面、ダイナマイトによる、殺りくとテロが繰り返されてきたのも事実です。
科学により出来上がったもの、出来上がるものを使う側の問題と決めつけてしまうことはどうかと考えます。
科学の進歩を促すのは、人間の欲望でしかないのですから。
もっとも、神の存在、神の絶対性とはいうものは、信仰心があってのことであり、信仰心がない者は、神と言いながらも平気で背いてしまうのです。
信仰を持つということは、絶対に裏切ることが出来ないものを持つということなのです。
神仏の前で、愛を誓ったにもかかわらず、平気で神仏を裏切って離婚する人達が多くなっているという現状がその事を物語っていますね。
科学の片輪、即ち、科学を抑制するものは何か。
人間の欲望をどう抑えていくかという分野の研究が大変重要視されなければなりません。
ゴルフクラブをウッドと呼ぶように、近年まで木で出来ていました。
それが科学の発達により、メタルヘッドが出来、今日のチタンヘッドとなりました。
それはひとえに、より遠くへという欲望の追求でありました。
その結果、230ヤード飛んでいたものが、300ヤード以上飛ぶようになったのです。
当然のことですが、生命倫理とドライバーの飛距離は、次元を異にして考えなければならないことですよね!