今日は、彼岸の入りです。
 
秋分の日は、二十四節気の一つで、春分の日と同様に、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。
 
その日を中日とし、前後三日間、併せて一週間をお彼岸というのです。
 
 
お彼岸にみんなで墓参りをするって、仏教行事のようではありますが、実は少し違うみたいです。
 
 
関連サイトには、
 
「お墓はご先祖様が葬られている場所ですので、 お彼岸には、ご先祖様と直接対面し供養を行うためにもお墓参りはとても大切なものです。」

 
等と言われていますが、仏教的にはどこにも根拠がなく、どうも曖昧で、納得がいかない話のようです。
 
 
だいたい、先祖を大事にする(親を大事にする)ことは、何も仏教を持ち出さなくても、人として当たり前のことであると思うのですが。
 
 
 
本来、仏教で云うところのお彼岸の行事とは、春と秋に太陽が真西(まにし)に沈む日があるので、西方浄土(彼岸)を思い(連想し)、やがて行く世界に思いを寄せると同時に、今いる世界(此岸)をじっくり考えてみる(仏法に問う)という日なのです。
 
 
ここに先祖供養というようなことは、まったく出てこなく、自己のこの問題として扱われているのです。
 
 
実は、「お彼岸にはお寺に参りましょう。そして、仏法を聴きましょう。」
 
ということみたいです。
 
 
 
 
私が小さかった頃、泣きながら母の背中に負われて、母は、赤く沈む夕日を指さして、
 
 
「泣かないでね、ほら、あっちの方から仏様が笑ってみておられるよ。
 
ほらね、ほらね。大丈夫、大丈夫。」
 
 
といって、夕焼けを見せてくれて、何かしら安心して、泣きやんだことを覚えています。
 
 
 
お彼岸は、自身の未来を思い、今の生き方を確認し、親の御陰、沢山の人の御陰、色んなものの御陰を再確認する期間なのでしょう。