
PPKといえば、007のジェームスボンドの愛用の小型セミオートマチック拳銃「ワルサーPPK」というイメージです。
高性能で小型のこの銃は、スーツの下に忍ばせておくのにはぴったりの銃です。
今ここで言うところの「PPK」は、 「ぴんぴん生きて、コロッと死ぬ」という意味のこと、即ち「ピンコロ」なのです。
現代の老人は、長期寝込まない、認知症にならない、家族に介護の負担をかけない、そして死ぬ時は、コロッと死ぬことを夢見ているのです。
「突然死」を迎えたいと願う人が実に多いのです。
ライフスタイルの変化(核家族、孤食の時代)で家族のきずなや、地域社会とのつながりが薄れているといった社会状態の変化が、こんな考え方の老人を増やしたのです。
全国に新しく出来た、「ぴんぴん長生き、ころりと往生」を意味する地蔵やお寺参りが流行しているそうです。
「ピンコロ地蔵」、「ころり三観音」、「ぽっくり往生寺」などには、多くの老人達が大型バスで参拝に訪れ、商魂たくましく作られたピンコログッズを買って帰るのです。
お寺参りは、来世を願うのではなく、死に方を願うようになったのですね。
「ぽっくり寺に参った帰りの老人達が乗った大型バスが、崖から転落事故を起こして多くの死亡者が出た。」
っていうニュースを聞いて、
「やっぱりあの寺は、御利益があるんだね。でも、チョット叶(かな)うのが早すぎたなぁ!」
って話がありましたね。
安心して死ねる社会は、安心して生きてゆける社会です。
みんなが、「安心して死を迎えられる社会」を築いていかねばなりませんね。