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新刊「終活ファッションショー」安田依央著(集英社初版:2012年6月10日)
 
 
 
最近、「終活(しゅうかつ)」なる言葉を時々耳にする。
 
就職のための活動を就活と云い、結婚のための活動を婚活と云う。
 
終活とは「人生の終わりのための活動」の略であり、人生の最期を迎えるにあたって、するべきことを総括したことを意味する言葉である。
 
 
検索キーワードでは、終活カウンセラー資格、終活アドバイザー、終活ノート、終活プランナー、終活セミナー、終活カウンセラー、イオン終活等がある。
 
出版されている本にいたっては、
 
「おひとりさまの終活」、「終活ハンドブック」、「終活のすすめ」、「終活 ~For happy ending~ (コミックス) 」、「もしもノート」「わたしの葬式自分のお墓―よりよく今を生きるために、人生の最後を考える2010終活マニュアル 」等、多々ある。
 
 
戦後の経済成長が進む中、誰にも縛られない、個々に自由な生活を求めてきた日本人であった。
 
その結果、家族が崩壊し、地縁血縁が疎遠になり、おひとりさまと云われ、孤食の時代といわれる社会が出来上がった。
 
 
そしてそのことは、自身の人生の終わりをも家族に依存出来なくなったと云うことでもある。
 
 
 
 
 
昨日書店で「終活ファッションショー」なる本が目に留まり、題名の面白さから買って、一気読みした。
 
 
34歳未婚の女性司法書士が、死ぬ時に着たい衣服を発表する「終活ファッションショー」を企画し、老人達をはじめ、色んな人達が集まってきた。
 
(普通は、白装束に、三角巾を頭に付けられる)
 
義母の葬儀の希望を叶えられなかったことを悔やむ嫁、バブリーなセレブ夫人、熟年離婚寸前のエリート夫婦、元警察官のオカマバーのママ・・・・。
 
十人十色の死に装束から、それぞれの人生が見えてくる。


彼らは準備の過程で、自分の人生の転機、記念の写真を5枚選ばされるのである。
 
そして、その写真の中の自分の側に写っている人を確認する。
 
葬式は大切な人のために行うと定義し、大切な人は誰かを考える。
 
この事をすることで、厭でも人生を振り返り、自分にとって大切な人は誰なのかがより一層明確になるのである。
 
 
 
 
 
私は日頃から、孤独死って云うのはダメなことではないと考えているのである。
 
それは、その人が最後まで自立して生きてきた証(あか)しであると思うからである。
 
 
そんなことまでも考えさせられる本である。
 
 
 
 
 
まっ、諸々のことは別として、あなたは、死ぬ時及び、死んでからどんな装いで(どんな服、着物を着て)、納棺されたいですか?