先日露店で、大きな筍(たけのこ)を売っていた。
真っ黒で、太くて長さは5、60cmはあったであろうか。(非常に男性的である・・・ウフッ!)
時期を過ぎた竹林に立っているような、とても食べられるような代物ではないのである。
側には、「柔らかいですよ」って立て札が立っていた。
「こんなのに欺(だま)される奴がいるものか。」って、横目で見ながら通り過ぎたのでした。
それが何だか気になって、脳裏から離れなかったのであるが、家に戻って捜してみると、やはりあった!
東海林さだおのエッセイに、「巨大筍のザクザク」て云うのを以前読んでいたのである。
町で巨大筍を見つけ、やむにやまれぬ思いで買って帰った彼は、あまりにも巨大なので、その調理法や、食べ方まで思案するのである。
結果、直径19cm、厚さ7cmという、日本の筍料理史上初の巨大輪切り筍が煮上がり、直径30cmの大皿で湯気を上げているものが出来あがったのである。
そして彼は、それをナイフとフォークを使い、7cm四角に切り取って、ザク、ザクザクッ、大ザク、小ザク、とにかくザクザクと食べるのである。
「筍は小さいのが美味しいとはよく聞く。
小さくて引きしまった筍を薄く切って、サクサクと食べるのがおいしいとよくいわれる。
ザクザクがおいしいなんて、ぼくだけでしょうか。」
と言うのである。
・・・・・今日、又あの露店に行って、巨大筍を買ってきます。