赤い靴

野口雨情作『赤い靴』は有名な童謡です。

「赤い靴（くつ）　はいてた　女の子

異人（いじん）さんに　つれられて　行っちゃった 」


人の思い込みの動物って言うくらいで、色んな解釈をする人があるものです。


「なんで悲しい歌なのか分からない。だって、良い爺（いーじい）さんに　つれられて　行っちゃった んでしょ。」

とか、

「ひい爺（ひーじい）さんに　つれられて　行っちゃった ってずっと思ってた。」

最近では、

「あれって、拉致（らち）被害者の歌でしょ。」

等と、それぞれ勝手な解釈をするものです。


あの歌は、未婚の母として女の子を育てていたが、再婚し生活の厳しさもあり、娘の養育をアメリカ人宣教師夫妻に託すことにした。

しかし、アメリカ人夫妻は本国に帰る事になるが、その時その子は、結核に冒されており、アメリカに連れて行く事が出来ず、そのまま東京の孤児院に預けられ、9歳で亡くなってしまう。

母親は、アメリカに渡ったものと思いこんでいて、東京の孤児院で結核で亡くなったことは知らされないまま、一生を過ごした。

明治36年、野口雨情は、その母親夫婦から聞かされた話をもとにして、『赤い靴』を書いたのです。

生活苦から実の子を手放さなければならなかったという、母の悲しさ、挫折感を実話を元にして書いたのです。


しかし、この説は、事実ではないという説もあるのです。


作家永六輔氏などは、社会主義派詩人の野口雨情が書いた『赤い靴』は、社会主義的ユートピア運動の挫折を書いたものに過ぎないと言っています。


ちなみに、永六輔氏の「上を向いて歩こう」は、60年安保に挫折した自身を書いたものだそうです。



まっ、どっちにしても、当時と違って、今の親の中には、自分の都合で子供を産んで別れ、又好きな人が出来再婚し、子供のことより自分の幸せを優先し、育児に専念しない母親がいますが、ホント、ダメですよね。

いつも傷つくのは、弱い立場の子供なのですから。