昨日は、1.17阪神淡路大震災のイベントが各地で開催され、昨年の3.11東日本大震災と併せて、色んなことを考えさせられました。
そんな中、朝日新聞紙上で、大江健三郎氏が、次の二方の文章を紹介しています。
一つは、坂本義和氏の文章です。
「日本国民は、人間のおごりの上に成り立つ、今の生き方、生活様式そのものを変革して、世界的格差のない人類共有となりうる『モデル』を創る道を探る時ではないか。今回の天災と人災とが、それを、われわれに問うているのだ」
もう一つは、宮田光雄氏の次の文章です。
「電力消費の問題一つとってみても、いわゆる豊かさを追い求めるのではなく、たとえ貧しくなろうとも、日常生活の不便さを忍んでも、人間らしく生きるとはどういうことか、真に生きることの意味を、今こそ深く問いつづけなければなりません。そのことなくしては、《いま人間であること》そのものが成り立たなくなっているのです。」
両氏の提言は、人間中心、科学至上主義の結果として今回の震災を反省し、人類の健やかな未来を語られており、共感するところです。
昨年ブータン王国の王子様が、新妻ペマチャンを連れて来日されました。
ブータン王国は、国民総生産(GNP)にかわる国民総幸福量(GNH) という概念、即ち、経済的には貧しいが、自分は幸せだとほとんどの人が感じているそうです。
この事を知らされた日本人は、ブータンを賛辞しました。
しかし、それは、文明を知らず、ものの豊かさを知らない、単にオメデタイだけのことじゃないかって云うことも出来るのです。(スイマセン、・・・ペマチャン!)
一旦、物質的豊かさを知ってしまった日本人が、いまの生活を落として、果たして不満無くやっていけるのかどうか。
上を目指していたものが、もっと下で満足できるのだろうか。
30万円の生活をしているものは、40万円の生活を目指して頑張ってやっている。
それを、20万円の生活で満足するように頑張りなさいって急に云われて出来るものなんだろうか。
ある人曰く、
「食欲と性欲の充ち足りた人間だけが、世界平和を口にする。」
しかしやらなくては、日本(世界)の将来は、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
懲りもせず、原発路線を推進しようとする者達よ。
自らの凡夫の哀しみに早く目覚めよ!