この島は、蒲刈群島(かまがりぐんとう)の中のひとつで、広島県の呉市南部、瀬戸内海にあります。
蒲刈群島は、上蒲刈島、下蒲刈島の有人島、および13の属島から構成されています。
今は独り、闇夜に浮かぶ島々の灯火を観ながら、朝つり上げられた活きのいい大鯛と、好物のABをアテに、かの横山大観が愛飲した三原の銘酒「醉心」をぬる燗で戴いております。
そして、糖度の高い、広島では高級みかんとして名高い蒲刈産みかん、蒲刈産デコポンなどで、日本酒で焼けたノドを潤しております。
この島も以前は、温暖な気候風土の中で美味しい広島ミカンを生産して、かなり豊かな時代が長く続いていたそうです。
しかし、培ってきたミカン栽培のノウハウを九州地方の人達に伝授したため、収穫時期が広島より早い九州のミカンが先に出荷され、広島ミカンが売れなくなったのです。
その結果、職が無くなった若い人達は、本土に移り住み、島は高齢化が進んだのです。
かつては船でしか行けない離島だったのですが、現在は、安芸灘諸島連絡橋の整備がすすみ、上蒲刈島および下蒲刈島は、安芸灘大橋と蒲刈大橋を介して本土とつながっているので、車で行くことがでします。
何とか若い人達に戻ってきてもらって、島から職場に通えるようにとの願いで橋を架けたのですが、いざ橋が架かってみれば、いつでも帰れるようなったからと、結局島には戻ってきませんでした。
人のいい島の人達です。
・・・では、「醉心」をもう一杯!