イメージ 1
 
伊集院静の『星月夜』を読んだ。
 
著者初めての推理小説と云うこともあるのか、定番めいた物語の展開であった。
 
しかしそこに表現されている「人としての哀しさ」というテーマは、『お父やんとオジさん』 『羊の目』 と一貫している。
 
即ち、人の持つ本質である、凡夫なるが故の、罪と悲嘆であろう。
 
  「草刈、人間はな。当人にも分からない部分を持っているんだ。表と裏があると言っているんじゃない。もっと厄介なんだよ。人間は。」
 
  「病気であれ、事故であれ、人は寿命で死ぬ。それを忘れんことだ。必要以上に悲しむことはつまらぬことだ」
 
 
文章を書く場合、通常、起・承・転・結と順番に書くものである。
 
即ち、1ページ目の書き出しから、最後のページに向かって書き進められるのである。
 
しかし近頃の文章は、ワープロを使って書くため、どの部分からでも書き始めることが出来る。
 
つまり、後でコピー&ペーストを駆使して書かれるのである。
 
これにより、物語(文章)に深さと意外性が表現しやすくなるのである。
 
(レポート、論文などは、文章が整ったものになる)
 
 
この小説も、このようにして書かれているのであろう、何度もビデオを巻き戻しをして観るような読み方をしてしまう。
 
 
ともあれ、一気読みしてしまった。