「蛇とゴキブリだったら、どっちが恐い?」
 
「蛇が恐いかな」
 
「だったら、ゴキブリを退治できる?」
 
「できるよ」
 
「殺せる?」
 
「殺せるよ」
 
「すごい!」
 
何がすごいのか分からない。
 
 沢木耕太郎著 『ポーカー・フェース』 より
 
 
 
いのちに序列があるのだろうか。いのちは尊いっていうけど、どこまで、どこから尊いのか。
 
つまり、ここまでは殺せるけど、これ以上は殺せないっていう境目はどうやって決められるのか。
 
「蚊なら殺せるが、ウサギは無理!」
 
 
先日京都で会った、女優の杉本彩さんは、毛皮を着ないそうです。
 
「ノー・ファー運動」といって、最近街角でよく見かける、
 
「毛皮を買わないで下さい。欲しがらないで下さい。あなたが買ったり、欲しがるから、こんな事になるんです!」
 
って、皮を剥(は)がされたウサギ等の写真を持って訴えてる人達がいます。
 
リアルファー(本物)を止めて、フェイクファー(偽物)にするの?
 
だったら、毛皮だけじゃなく、鞄、靴などの革製品はどうなの?
 
食用動物は?究極は、ベジタリアンになるしかないって事?
 
議論はつきないところです。
 
 
私は幼いときから釣りを禁じられていました。
 
「遊びのために、無駄にモノの命を取ってはいけない!」と言われていました。
 
 
人間が生きていくためには、どうしてもモノの命を取らなくてはなりません。
 
そんな罪を背負った悲しい存在なのでしょう。
 
だから、食事の前に、手を合わせるのですね。