
『プリズム』百田尚樹著(幻冬舎)を読んだ。
「将来は何になりたいの?」
「みんなそれを聞くね」修一はうんざりした顔で答えた。
「大人はどうしていつも子供にそんなことを聞くのかなあ」
「修一君はどう思うの?」
「大人は・・・」修一は言った。
「なりたいものに自分がなれなかったからじゃないかな」
私は驚いた。そんなこと考えたこともなかったが、もしかしたら彼の言う通りかもしれない。
「先生はどう思う?」聞かれて、私は考えた。
「大人には未来がない。でも子供には未来がある。子供を見ると大人は無意識にそれを思い出すのかもしれないね。
それって、修一君が言った、なりたいものになれなかったことを無意識に思い出してるのかもしれない」
「ぼくもそんな大人になるのかなあ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 プリズム 』 より
なりたいものになれた事って、とても幸せなことなんですよね。