
2005年3月、国連の委員会で、ノーベル平和賞受賞者でケニア環境副大臣のワンガリ・モータイ女史が、日本語の【もったいない】という言葉を環境保全の合い言葉として世界に紹介した。
彼女は演説の中で、
「【もったいない】は消費削減(リデュース)、再使用(リユース)、資源再利用(リサイクル)、修理(リペア)の四つのRを表してる。」
と言い、『MOTTAINAI』と書かれたTシャツを振り回し、
「さあみんなで、【もったいない】と言いましょう」と演説した。
日本人には古来ものを大切するという精神が染みついているのである。
・・・・・が、しかし、この【もったいない】が染みついているおかげで、要らないもの、使わないものが溢れているというのも現実である。
数年前まで、経済状態が良かったものだから、消費は美徳などと言い、新しいもの、便利なもの、流行りのものを次から次へと買い換えていた。
そして、【もったいない】の呪縛によって捨てることが出来ず、タンスには古い服がたまり、冷蔵庫には賞味期限切れのものがあふれ、もらい物は未開封のまま収納に眠っているのである。
欲望のまま、次から次と欲しいもの(今のもの、新しいもの、流行りのもの)に目がいき、手に入れるまでワクワクし、手に入らなければイライラし、手に入れたら飽きてしまい、又次のものを欲しがってしまうのである。
そもそも、『流行(はやり)」というものは、必ず廃(すた)るから、流行り(はやり)なのである。
ブームは、去っていくから、ブームなのである。
欲望と葛藤し、早く個々のスタンダードを築き上げていこう。