
日本人は、何故西洋のように日常的に「愛してる!」ってあまり言い合わないのだろうか。
そもそも、英語の「LOVE」っていう言葉が明治時代に「愛」と訳されたのであるが、日本の「愛」とは本質的に異なるものなのである。
「愛(アイ)」は、哀悼の意を表するの「哀(アイ)」とは語源が同じである。
つまり、「アイ」は、胸が詰まって言葉が出ないような状態を言うのである。好きな人の前でも「アイ」であり、大切な人を亡くして胸が詰まるのも「アイ」なのである。
語源から考えれば、「愛」は、「かなしい」、「かわいそうの」の意も含んでいるのである。
愛(いつく)しむと、慈(いつく)しむは、同じである。
「慈」は、慈悲の心である。即ち、「悲」が「愛」に相通じているのである。
日本の「愛」という言葉の奥底に、「愛(かな)しい」の感覚を含んでいることを何となく気付いていたからこそ、むやみやたらに「あなたを愛しています」などと露骨に言わなくてもよかったのである。
むしろ、西洋人のように同じことを何回も言わなくても、日本人は自分の愛する気持ちを相手に伝えることが出来たのである。
近頃はそんなことも考えずに、「言って欲しい」「言葉に出さなければ分からない」などと言う。
猜疑心(相手の行為などをうたがったりねたんだりする気持ち)を捨て、素直になろう。
(付録)
「愛と恋」とは違いますね。
逢っているときは なんともないが
さよならすると 涙がこぼれちゃう
逢っているときは なんともないが
さよならすると 涙がこぼれちゃう
逢うたびに うれしくて
逢えばまた せつなくて
逢えなけりゃ 悲しくて
逢わずにいられない
逢えばまた せつなくて
逢えなけりゃ 悲しくて
逢わずにいられない
これが恋ですよ!!