
『中部銀治郎のゴルフ哲学』三好徹著(日経プレミアムシリーズ)を読んだ。
日本アマ6勝の球聖故中部銀治郎と、自称文壇随一のゴルフ通三好徹が語り合ったゴルフの神髄である。
中部氏は、ゴルフスイングは、自然なアドレスに極まると断言している。
又、アマチュアは誰と戦う出なく、いつもパー小父(おじ)さんとプレイしているのだという。
また、ナイスショットをしてフェアウエイセンターに打ったのに、行ってみればでポット跡にボールがあったり、思い通りに打ったにもかかわらず、バンカーに入ってしまうことがある。
そんなことに対して中部氏は、
「アンラッキーといえばアンラッキーかもしれませんが、それを気にしないことにしているんです。
つまり、ゴルフには運不運が付きものですから、今は不運だったとしても、逆にOBになるところを、木に当たって助かるという幸運に恵まれる場合があるじゃないですか。
不運が10回あれば、幸運も10回はある。
1年間にトータルしてみれば、平均して訪れてくる。
この平均の法則に気が付いてから、一打一打の運不運については、そのたびごとに動揺しなくなったんですね」
と言うのである。
中部ゴルフを構成する二つの要素は、基本を大切にすることと、平均の法則である。
ゴルフはよく人生に喩えられることがある。
人生でも、嫌なことばかりが続くようでも、必ず、同じくらいいいこともあるものである。
辛いことでも、同じくらい楽しいことが必ずやってくるから、今頑張れるのでのである。
人生も、平均の法則があるのである。
かのウォルターヘーゲンも、運悪くラフに入ってしまったボールを前にして、
「ボールがラフにあるんだから、そこからプレイするだけのことだよ」
って、今自分か置かれてる状況を、そのまま受け入れることの大切さをこう語ったのである。