今回の震災で、外国のジャーナリストが感心して報道しているのが、日本人のきまじめさである。
暴動も起こすことなく、粛々(しゅくしゅく)と行儀良く被災した日々が進んでいることを日本の特徴としてあげている。
かつての阪神大震災に於いて、あるジャーナリストは次のように報告している。
【 ロス地震などに比べて、神戸では略奪のようなことはなかったと云われている。
1日目、水を求めてさまよう被災者は、バタバタと道に倒れている自動販売機に駆け寄った。
そこからがロストは違うところで、神戸の被災者達は、
「WOOO!」と絶叫するかわりに、
「皆さん、これは倒れているからもうもらっといてもいいでしょうかね。」
とか、誰にともなく言いながら、ロスではハンマーで叩き壊すところを、日曜大工のねじ回しのようなものでちょこちょこと開け、
なお、
「まだたくさんありますから、皆さんもお持ち帰り下さい。」
と、周囲に気配りをしながら持ち帰っていた。
パトカーも彼らを捕まえ、蹴り回す代わりに見て見ぬふりをして去り、シンポジウムでその状況を報告したジャーナリストも、
「私も1本もらいましたけど。」
と最後につけ加えるなど、みんな大人であった。 】