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『なぜ若者はトイレで「ひとりランチ」をするのか』和田 秀樹著


東京大学で、驚くべき張り紙が発見された。

【トイレ個室内での以下のような行為を禁止します】

そこには、「喫煙」「落書」に加えて、「食事」を禁止する項目が加えられていた。

それを受けて、2009年6月に「便所ランチ禁止」のポスターが各大学で貼られた。

冗談のような本当のはなしである。


「便所飯」という言葉を聞いたことがあるだろうか?


いま、世間をにぎわす「若者の信じられない行動」の数々。

中でも代表的なものが、この「一人でランチを食べる姿を他人に見られないように、トイレの個室の中で食事をする」という「便所飯」行為。

彼らは〈ランチを共にする友達もいないくらい、劣った人間だ〉と、他人から思われることを何よりも危惧するあまり、トイレに逃げ込むという。

OLのランチもこの傾向が強い。昼休みに会社から離れた公園のベンチや生け垣に腰掛けての、1人ランチである。


「便所飯」をする心理状態を、まったく理解できない人も多いと思う。

いや、反対によく理解できるという人もいるだろう。

この、よく理解できるという人が増えてきたことこそが問題なのである。


その裏には1990年ごろから始まった具体的な「要因」が存在すると著者は断言している。

そしてその要因は、驚くべきことに、今の日本社会に立ちはだかる諸問題を引き起こした元凶でもあるという。

したがって「便所飯」は単に「いまの若者の信じられない行動」だけでは片づけられない。

著者は、一刻も早く現状を是正しないと、日本の経済すら、このまま回復の見込みはないと警鐘を鳴らしている。


若者が「便所飯」行動に走る真の理由とは? そして、その改善方法とは? 現代の病理を解き明かす一冊である。




「便所飯」をやめられない人は、確実に存在している。

しかし、「人目につかない」問題だからといって放置していると、事態はさらに深刻になるのである。

そう、それに象徴される、人間関係の問題である。



まっ、しかし、便所が食事が出来るほど綺麗になったと云うことも、日本が良くなったということでもあるんだよね。(笑)