こんな話を聞きました。
中学生の孫と、その祖父が言い争いをしたというのです。
そして最後に、「おじいちゃんは何のために生きているんだ。仕事も出来ず、ブラブラしてるだけじゃないか。早く死んでしまえ。」
喧嘩の上とはいえ、ひどいことを言ったものです。
それに対しておじいちゃんは、「わしも生きていたくって生きているのではないわ。仕方ないから生きているんじゃ!」
って、言い返したそうです。
笑い話のような話ですね。
が、しかし、この話を聞いて、自分はどうこの子に答えていけるのだろうかと、しばらく悩んでいました。
老人にどういう価値があるのか。
意識のないまま、何十年も生き続けている、いわゆる植物人間に生きる価値はあるのか。
ぼけて寝たきりで、そんな形でかろうじて生きている人間にいのちの尊厳はあるのか。
しかし、私は、そんな人達にだって、生きている価値は十分あると考えます。
その人をケアすることによって、いのちを考え、命の尊さを知らされ、自身の命も色んな人や物によって生かされていると云うことを知らされるからです。
そんなことを教えてくれる人がそこにいる。
人は、生産性だけで価値を認められるものでは決してありません。
どんな形でもいい、そこに生きていてくれさえすればいいと思います。
「いいよ、いいよ、そのまんまでいいよ!」