時々行く、山の上にある天台宗のお寺には、「一隅を照す」って大きな字で書いてあります。

伝教大師最澄さんの言葉です。

「仏様は、社会の隅々まで照らしていて下さる」とばかり思っておりました。

実は正反対だったことを知らされました。

「社会の一隅にいながら、社会を照らす」だったのです。

仏様ではなく、「私が社会の中にいて、いやなことでも自分でひきうけ、よいことは他の人にわかち与え

る。自分をおいて、他の人のために働くことこそ、本当の慈悲なのである。」

「自分が明るくなれば、社会も明るくなる。」

と言うことだったんです。

何と味わい深い言葉でしょう。

主語が違うと、まったく見える世界が違うんだと、つくづく思いました。