認知症の検査
自宅の近所のもの忘れ外来で、長谷川式簡易スケールによるチェックを受け、認知症のおそれがあるとの診断されたうーちゃん。
とはいうものの、特に会話などから変わった様子は見受けられません。
「何かの間違いかもしれないし、他の病気かもしれないし・・・」と二人で交互に同じようなことを言い合っても、気が晴れることはありません。
1週間後の2019年11月28日、半信半疑のまま、紹介状を持って、総合病院に向かいました。
優しく穏やかに、大きく頷きながら話を聞いてくださる先生の丁寧な診察。
うーちゃんも落ち着いた様子で、受診の経緯や自覚している症状などについて、順序立ててしっかり話していきました。
ただ、「1年ほど前から、仕事の時に、それまで問題なくできていたことが、何回も確認しないとわからなくなることがありました。」との話も。
続いて、別の先生の問診で、長谷川式認知症スケールとMMSE(ミニメンタルステート検査)を40分ほどの時間をかけて受けました。
「ご家族の方もご一緒にどうぞ。」と言われ、私も入室して、片隅のソファーで様子を見守りました。
テストの中で、3つの関連のない単語を覚え、しばらくしてからもう一度聞かれた時に、覚えた単語を答えるという、おなじみの問題で、うーちゃんは2つしか思い出せませんでした。
『100から7を順に引いていく』という問題では、初めの『100−7=93』の後、『93−7』は答えられませんでした。
不意打ちです・・・いきなりの衝撃です・・・声が出そうになって、私は慌てて口元を押さえました。
私は打ちのめされました。まさかとか、気のせいとか、そういう段階はとうに過ぎていたのです。
わからない問題があると、時々振り向いて、照れくさそうに微笑むうーちゃん。「答えは教えられないよー」とふざける私。
「大丈夫ですよ、ゆっくり答えてくださいね」という先生。
現実とは裏腹の、とても穏やかな時間に、私の混乱は増すばかりでした。
その後、血液検査、そしてMRI検査。
検査着に着替えて通路に出てきたうーちゃんは、「これって、ちゃんと着れてないよね?」と戸惑った様子。検査着の合わせがわからなくて、胸もお腹もはだけた状態でした。
「内側の紐から結ばないと。」と手伝うと、「あ、そうか!」と言いながら、うーちゃんは自分で紐を結びましたが、蝶々結びはできなくなっていました。
検査結果は翌日にまた来院して聞くことに。
この日の帰りの記憶は、ありません。