大学のオープンキャンパスで予備校の先生がこんなこと言ってました。

「日本史の文化史ってのはね、やっぱり実際に見ないとダメですよ。私も長いこと日本史教えてますけど実際に仏像とか壁画とか見る前と見た後じゃ全然違いますから。夏休みの間に東大寺ぐらいは行っといても損はないですよ。」


よーし!
俺も実際に見たいなあと常々思ってたし
一流の先生が推すんなら是非とも見にいくぞ!




意気込んだ私はとりあえず一番乗ってきそうなY氏を誘ってみた。


そしたら 何と!
超好意的な返事!

「奈良まで行くのかい?
まったく仕方ないねキミは。」

みたいな。


よーし この調子だ
と意気込んだ私はあとの2人にもメールを送りつけた!

「東大寺行く人、手ぇあーげて!」


そしたら 何と!

T「行ってらっしゃーい」

K「行かへんけど」







おいぃぃぃぁあああああ!!

何故だあぁぁ!!

勉強やぞ?
あくまで勉強!

まあTが世界史なんは置いといて
その前にオマエら寺も神社も大好きやん!
3人でも行ったことあんにゃろ!?
ちょっとぐらいいいやん!

ちょっとぐらいいいやんかぁ!!



…お前らぁ
そんなに東大寺が嫌いか!!





絶望にうちひしがれた私はとりあえず現実逃避して
両親に東大寺に行きたい旨を伝えた。

そしたら 何と!

母「奈良まで行くの?」
父「京都にいっぱいあるぞ。ほらあそこ。唐招提寺の!」
母「ちょっと南行ったらなんぼでもあるで。こないだも…」
父「あとは鹿苑寺もあるし、いくらでもあるぞ。京都やしほら、あの優しい顔した仏像の…」
俺「いや、でも習った範囲やと東大寺が…。」
父「あ、仏教ならガネーシャも見れるぞ!」
俺「カンケーないし。」
父「アホか!あるっちゅうねん!ガネーシャがイスラム仏教の権化やねんから!」
俺「習ってないし!」
母「そんなんやったらアンタ、予備校の近くにあるやん。予備校行く前にフラーっと…」



ぅぅぅうるせえぇぇぇえ!!!

東大寺に行きたいって言ってんだろぉ!!?

どいつもこいつもぉぉぉ!!!



そんなに東大寺が嫌いかあぁぁ!!







ショックからようやく立ち直ったのは今日のこと。
まだ私の闘志は冷めていなかった。

行きたいんだ東大寺に。
東大寺に行きたいんだ。

でも流石に1人はイヤなんだ。
1人で「なか卯」行ったり「マクド」行ったり「オープンキャンパス」行ったり「みんな後ろ座ってんのに自分だけ一番前」座ったり
そんぐらいはできるし1人好きやけど!


「東大寺」だけは1人で行けないんだ!

1人で仏像見たくないんだ!
みんなでワイワイやりたいんだ!

「おお~。教科書と一緒やん。」

とか言いたいんだ!

「おいおい、どこ行くねん。え?カワイイお姉さんがいた?仏像が先だバカヤロー。…で、その姉さんどこ?」

とか言いたいんだ!


なのに みんなして!
東大寺を親の仇のように扱うのか!



なんとかして行きたい私は
唯一好意的だったY氏に聞いてみた。


「俺はどうにかして行くけどY氏どうする?」

「いつ行くの?」

「夏休み中のいつか」

「入試近いしムリやわー」










…知ってたよね?



AO入試が秋だってことぐらい知ってたよね?

夏休みに行くことぐらいわかってたよね?




wastersで行くことをあきらめた私は十年来の友達であるK村くんを誘ってみたのだった。

「最遊記の新刊買ったけど貸そか?」

「うん、ありがとう」

「ところで東大寺いかへん?」

「何しに?」

「勉強しに」

「遠慮しとくわ」



ちくしょおおおおおおあおおおおおぉぉぉぉぉぁあああああああぁぁぁ!!!!


お前ら揃いも揃ってそんなに東大寺が嫌いか!!

アンチ東大寺か!

お前らわかってんのか!
東大寺の近くには興福寺も薬師寺もあるんやぞ?
どんだけお得やと思ってんの?
そこをわかっといてよね?


仕方ない!
将を射るなら まずは馬から!

誘いやすいE川から誘うぞ!

メールではこの熱意としつこさが伝わらん!
電話じゃ電話!



「よーE川、久しぶり。勉強はどう?俺は全然だよバカヤロー。いやー1日に10時間も20時間も勉強して疲れてるやろ?でも息抜きってったって遊びに行くのも気が引けるというかさ、そこでなんやけど、こないだ大学にオープンキャンパス行ったんやけどそこで予備校の先生が」

ブツッ

…ツーツーツー




クソがぁああああぁぁぁあああああああぁぁぁああぁぁぁあああああ!!!!!!!!


ナメんなよ この野郎めぇ!!
ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒャハハハ!!!

お前とも長いもんなあE川ぁぁ!!
俺のしつこさ知ってるよなあ!?

ヒャッハッハッハッハッハッハァァ!!!!
(まあ電話は接続が悪くて切れただけであったが)


「んでさ、やっぱり実物を見ろと!でE川って日本史やっけ?え?世界史?まあいいやん、ほら中国史の勉強やん。あー痛えなあアタマ痛ェなあ~。これ東大寺行かネーと治ンねーんカなこレ。なE川東大寺行くンだろ!?東大寺が来ルんダろっ!?」


E川「行ってもいいけど…」






ぃぃぃぃいよっしゃああああ!!!!


「ん?もしもし俺やけど。K村?東大寺行こうぜ。行こうぜ東大寺。疲れたやろ勉強に。でも遊びに行くのはなーって思ってたんやろ?勉強&リフレッシュの良い方法ないか考えてたんやろ?いやーというのもこの間な、オープンキャンパスで…」

K村「おまえ俺が折れるまで喋り続ける気やろ」


いやーよくわかっていらっしゃる!

K村「行ってもいいけど…」




ヒャハホホホハハハヒホハハハふひヘハハハハハハハハハ!!!

ウヒヒヒヒヒヒ!!!!


みんな聞いてくれ!
東大寺に行けるぞ!
行けるんだ!
ハハハ!
東大寺に行けるんだぞ~!

薬師寺東塔が見れるぞ!
興福寺仏頭が見れるぞ!
東大寺不空ケン索観音像が見れるぞ!





もうね
こんなに強引な説得したん久しぶり。
ここまで押したん久しぶり。

でも何だか人生に必要な気がした。

強引さ。
ひたむきさ。
そして粘り強さ。

あきらめないで良かったと心から思った。
あきらめなければ夢は叶う!

みんなも叶えるんだ。
心の奥の引き出しにしまい込んだ

“夢と呼べない夢”
そのままでいいの?
アナタはまだまだやれる!
今からだ!
あきらめないで!

夢は叶えるためにある…

夢はきっと叶う!


(Present By J.)