医療に従事する医者の結婚は難しいと言われることがある。
理由の一つとして忙しいことが挙げられるだろう。医療の現場は忙しすぎて、恋人を作る時間がないというのが結婚できない最大の理由だ。
そして、結婚しても上手くいく確率はあまり多くない。
失敗する例はどちらも勤務医の場合。大学病院や総合病院での勤務形態は不規則で、夫婦間のすれ違いが多くなる。
そして気が付いたら心が離れているのかもしれない。
結婚を成功させる唯一の方法は、夫婦で診療所を開くことだろう。
一緒に苦労をし、一緒に働く。勤務医のような不規則なシフトはないから、夫婦間のすれ違いも少ない。
何かあった時、夫婦で相談をし、苦難を乗り越えていくこともできる。
そう、思っていたのだが、実際はそううまくいかなかった。
私が同じ病院の勤務医と結婚をしたのは3年前。
いつか一緒に診療所を開こうね、と約束してはいたが、その約束を守るには経営を知らなければならない。
そして、診療所を開く資金も必要だ。
だが、そのどちらも私たち夫婦は持っていなかった。
「どうなの夫婦うまくいってる?」と高校時代の友達からの問いに私はから笑いを浮かべる事しかできない。
「1週間くらい会ってないかも」と返事をすると友達はえらく驚いていた。
私と旦那の当直の時間があわず、明日久しぶりに話せそう、といっても私が帰る時間と旦那が出る時間が運が良ければかぶるかなくらいの遭遇頻度なのである。
仲が悪いわけではないのだが、軽く別居状態なのである。
「医者って大変だね~」と頬を引きつらせた友達に私は軽く苦笑い。
いつか、診療所を開く他に私たち夫婦が一緒にいられる方法はないのだ。
医者と結婚というと羨ましがられるが、実際は相手側の忙しさで関係が崩れる夫婦が多いことを忘れてはならない。
