最近国会を通過した「国民健康保険法改正」

これについてAIで確認したが、結論から言えば配当収入が多い場合は保険負担が増える可能性がある

 

現在の制度と2026年改正後をできるだけ正確に比較します。

今回のポイントは、**「配当を減らすと健康保険料まで下がるのか」**です。

前提

  • 75歳・単身

  • 埼玉県

  • 公的年金:年間240万円

  • 金融資産:1億円

  • 課税口座の配当を比較

  • NISAは別枠で考える

  • 2026年度の埼玉県後期高齢者医療保険料率を使用

    • 医療分:所得割9.49%

    • 子ども・子育て支援分:0.25%

    • 均等割:52,370円+1,330円

    • 賦課限度額:医療分85万円+子ども分2.1万円=87.1万円 (埼玉県後期高齢者医療広域連合)

なお、以下は制度の仕組みを比較するための概算です。実際には各種控除や所得区分によって変わります。


① 配当0円

金融資産1億円を持っていても、資産そのものには保険料はかかりません

年金240万円の場合、65歳以上の公的年金等控除を考えると、年金所得は概ね

240万円 − 110万円 = 130万円です。

 

概算保険料:

約14.1万円/年となります。

医療費の窓口負担は、他の条件にもよりますが、1割負担になる可能性が高いケースです。

イメージ

金融資産1億円

配当0円

保険料 約14万円
です。


② 配当100万円

年金所得:約130万円+配当:100万円=所得約230万円となります。

概算保険料は、約24.1万円/年です。

したがって、配当0円と比較すると+約10万円/年程度の保険料増加になります。

一方、配当100万円には通常、100万円 × 20.315% ≒ 20.3万円の税金がかかります。

 

つまり、

  配当0円   配当100万円
配当 0万円 100万円
配当税 0 約20.3万円
保険料 約14.1万円 約24.1万円
配当後の実質増加 約69.7万円

③ 配当300万円

ここがかなり重要です。

 

年金所得130万円+配当300万円=所得430万円

概算保険料:約44.0万円/年です。

配当税は、300万円 × 20.315%= 約60.9万円

 

したがって、

配当300万円の実質手取り

300万円− 60.9万円− 保険料増加約29.9万円=約209万円程度。

 

つまり、

300万円配当をもらっても、税金・後期高齢者医療保険料を考えると約209万円が残る

というイメージです。


④ 配当500万円

年金所得130万円+配当500万円=所得630万円

概算保険料:約64.0万円

配当税:500万円 × 20.315%= 約101.6万円

配当から増える実質手取りは、

500万円−101.6万円−(64.0−14.1)万円=約348.5万円です。

 


⑤ 配当1,000万円

年金所得130万円+配当1,000万円=所得1,130万円

この場合は保険料が上限に達するため、約87.1万円です。

 

配当税:1,000万円 × 20.315%= 約203.2万円

したがって、1,000万円−203.2万円−(87.1−14.1)万円=約723.8万円

程度が、配当による追加的な手取りになります。


比較するとこうなります

年間配当  配当税  後期高齢者医療保険料 配当0円との差  配当からの実質手取り※
0万円 0万円 約14.1万円
100万円 約20.3万円 約24.1万円 約10万円 約69.7万円
300万円 約60.9万円 約44.0万円 約29.9万円 約209.1万円
500万円 約101.6万円 約64.0万円 約49.9万円 約348.5万円
1,000万円 約203.2万円 約87.1万円 約73.0万円 約724万円

※概算。税・保険料の計算上の控除等は簡略化しています。


⑥ そして非常に重要なのが「1割・2割・3割」

ここは配当額によってかなり変わります。

厚労省によれば、75歳以上は原則1割ですが、一定以上所得があると2割、現役並み所得者は3割です。 (厚生労働省)

単身の場合、現役並み所得者の判定には、課税所得145万円以上に加えて収入383万円以上という基準があります。 (厚生労働省)

そのため、このモデルでは概ね、

配当0万円

年金240万円

1割の可能性が高い

配当100万円

年金240万円+配当100万円

→ 収入が約340万円なので、3割の「383万円」基準には届かない

2割になる可能性が高い

配当300万円

年金240万円+配当300万円

→ 収入約540万円

3割になる可能性が高い

となります。

つまり、

配当100万円 → 2割

配当300万円 → 3割

というところが非常に大きなポイントです。


⑦ 例えば年間医療費300万円なら

単純計算では、

1割

300万円 × 10%= 30万円

2割

300万円 × 20%= 60万円

3割

300万円 × 30%= 90万円

です。

ただし実際には高額療養費制度の自己負担限度額がありますので、年間医療費が300万円だからそのまま30万・60万・90万円になるわけではありません。 (厚生労働省)


⑧ ここからが今回の改正の本当の意味

今回の改正では、

「確定申告しなければ配当を健康保険の判定から外せる」という現在の不公平をなくす方向です。

厚労省は、金融機関から法定調書の情報を取得し、確定申告していない上場株式配当等も後期高齢者医療の保険料・窓口負担割合の判定に反映できる仕組みを導入します。 (厚生労働省)

つまり、

現在

配当300万円

確定申告しない

源泉徴収20.315%で終了

自治体が金融所得を把握できない場合がある

というケースがありました。

改正後

配当300万円

証券会社等から情報

金融所得を把握

後期高齢者医療の保険料・窓口負担判定に反映

となります。 (厚生労働省)


⑨ では、1億円をどう運用するのが有利なのか?

ここが一番面白いところです。

例えば、

A:高配当型

1億円
→ 配当3%
年間300万円

B:低配当型

1億円
→ 配当1%
年間100万円

C:無配当・低配当型

1億円
→ 配当ほぼ0円
→ 必要なときに株を売却

という3種類があります。

 

今回の制度変更を考えると、BやCにはかなりメリットがあります。

なぜなら、

配当を受け取るたびに所得が発生するのに対して、値上がり益は売却するまで実現しないからです。


ただし、ここには注意

「じゃあ全部無配当株にすればいい」という話ではありません。

例えば、

1億円

無配当株

1億円→1億5,000万円

必要になったので1,000万円売却

なら、売却益部分には譲渡所得として課税されます。

したがって、

高配当株を売って無配当株にすれば税金がなくなるわけではありません。

 

正確には、

毎年配当として所得を発生させるか、必要なときに資産を売却して所得を実現するか

という違いです。


結論

75歳・金融資産1億円なら、今回の改正を考えるうえで、

「資産額」より「毎年どれだけ金融所得を発生させるか」

が重要になります。

特に、

配当0~100万円配当300万円以上では、健康保険だけでなく医療費の1割・2割・3割判定まで変わる可能性があるため、かなり重要です。

そして、NISAについては今回の金融所得反映の対象外とされているため、NISAを優先的に利用する意味はさらに大きいです。 (厚生労働省)