出張してきた
20年ぶりだろうか
冠婚葬祭以外スーツなんか着たことがない
大手の取引先の社長が会ってくれるというので高いウイスキー持って行ってきた
わしと同年代の聞き分けないジジイが出てくるんだろうなと警戒していたのだが
40歳の大手企業の出向でエリートが社長やってるそうな
若いからか、柔軟でよく話を聞いてくれて大企業を鼻にかけることもなく
ジジイの与太話を楽しく聞いてくれた
酒を飲めないわしを楽しく接待してくれた
楽しかった
久々に死ぬほど話した
何も喰わずにしゃべり続けた
一流の人間はもう一度会いたいと思わせる魅力があるのかと
地獄ではわしの言ってることは誰にも理解されないのに
地上では理解されるのかもと思った