旨いお浸しの作り方 | 料亭のムスコ 「日本料理」ことはじめ ~ ときどきクッキングパパ

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日本料理の作り方、マナー、考え方などを料亭の視点で共有するブログ。
裏話を含めた料理屋の日常、ムスコのクッキングパパぶりも息抜きに書いていきます。

 

from: ムスコ

 

三重県の料理屋より、、、

 

 

最近は家でお浸しとか作るのだろうか

菜っ葉を中心に緑が鮮やかなお浸し。春は菜の花で作るのもいい。

出汁のしみた菜っ葉をジャクッと食べる。

 

ジャクッという感じだ。

 

お浸しというのは、このジャクッという感じ、菜っ葉の触感、歯ごたえと出汁の風味が口いっぱいに広がって命の恵みを感じる気がする。


うまいお浸しは一番出汁から作る。

 

一番出汁に味醂と薄口醤油をとぽとぽ入れる。うどん出汁は塩を入れるが、お浸しの出汁には塩は入れずに醤油を多めに入れる。菜っ葉に水分がある分、出汁を付けて食べる感じ、要するに出汁は濃い目に作る。飲むものではない。

 

塩は入れない。菜っ葉が結構しっかりしているから、醤油のコクが欲しい。だから醤油を多めに入れる。そして追いガツオ。花がつおをフワーッと一面に振りかける。旨いお浸しはカネがかかっている。


菜っ葉はあらかじめ塩茹でしておこう。茹でたら適当なサイズに切って置いておく。

さっき作った出汁が冷めたら、菜っ葉を浸す。暖かいうちに入れてはいけない。菜っ葉の色が変わって台無しになってしまう。

 

他に人参の細切りやエノキなどのキノコを入れる場合は、別の出汁で下茹でする。新しい出汁で下茹でするのがもったいないときは、作っておいたお浸しの出汁で茹でておく。そこは菜っ葉と違うところだ。

 

冷めた出汁と茹でた菜っ葉、そして他の具材を一緒にすれば完成。

季節の菜っ葉を入れて彩り豊かに楽しもう。

 

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