日にちが回ってしまったので、

昨日は江別で




『地域共生社会✖️人生100年時代』

というシンポジウムがありまして、僕も学生スタッフとして参加させていただきました。

今回のシンポジウムでは僕自身が衝撃とこれから挑戦していく上での活力をいただきました。

今回のシンポジウムでも活発に話をされていた『障害者』について、今日は少し書きたいと思います。

それでは早速本題へ



『僕が重度障害者に教えてもらったこと』


僕は去年の1月頃から重度障害を抱える人のグループホームで働いています

僕自身今までそのような方々と関わったことはなく、何もかもが初体験でした。

僕は夜勤で入ることがほとんどなので

ホームでは基本的に、トイレ、食事、入浴の介助をして、時間になったら布団に入ってもらって寝てもらいます。

朝は少し早く起きて朝ご飯の支度をして、着替え、歯磨き、時間になるとお迎えが来るので、それまでにそれらの仕事を終わらせて、見送りをします。

仕事が終わったら僕は家へ帰り、シャワーを浴びて着替えて学校に行きます。

バイトがある日の生活はこんな感じです。


僕の関わってる人は話すことが出来ない人がほとんどで、突発的な行動をしたり、自傷行為をしたり、結構目が離せない方が多いです。

よくイタズラをするし、お風呂では水をかけられるし、夜遅くまで寝ない日もあるし、結構大変な仕事だと思います。

そんな障害者の人との関わりの中で

僕は結構

いや、かなり

価値観が変わりました。

僕の中で変わったというより

僕の価値観が壊されたと言った方が適切かもしれません。

僕の価値観がなぜ変わったのか。これからそのことについて少し書いていきたいと思います。


大学に行って友達に『おはよう』と言えば『おはよう』が帰ってくる

僕は自転車で学校に通っていて、大体ギリギリ着くので1コマは大丈夫ですけど、2コマからは眠い中講義を聞かされて、

体の中の仕組みとか、筋肉の使い方とか、制度とか、病院とか、

まあ色々頭が痛くなるような勉強をしてます。

後ろで騒いでる女子を『うるせぇなぁ〜』とか思いながら受ける大学の講義

1年前の自分は

医療ってなに?

福祉ってなに?

リハビリってなに?

この質問に答えるどころか考えることも出来なかったと思います。

患者さんへのリスク管理

体の筋肉やその生理学

専門的な勉強は沢山しているけど、

僕はなんで

医療人になりたかったのかを

忘れそうになる日々の連続でした。


そんな時にコンビニでのバイトをやめて、

グループホームで働くことになり、

自分としては初めて誰かの支援をすることになりました。

始まってからは考える暇はあんまりなくて、

次から次へと覚えることばかり

薬のチェック

記録付け

まあまあ結構やることがあって

最初はとにかく必死でした。


『おかえり』と言っても返事は返ってこないし、

歯磨きしてても途中で立ち上がってどこかに行くし

目を離せばイタズラをしてるし

叫び声も聞こえる

全速力で走ったり、

同じことを何度も聞かれる

とても大変な時間ですけど、

でも大学の講義の何十倍も学びの連続でした。


この人はなに考えてるの?

なんで怒ってるの?

なんで笑ってるの?

なんで今日7時に寝てるの?

『なんで』ばかりの毎日

自分で考えてもわからないし、

職員さんに聞いてなるほどと思っても

10分後にはまた『なんで』が生まれる


でも僕はこの時1つ気づいたことがあって

僕らの世代はみんなスマホですぐ答えを調べられるようになって

初めから答えが明確にあるペーパーのテストを解いている今の僕ら大学生は

『なんで』と考える機会が圧倒的に少ないということです。

大抵の情報はインターネットで調べられて

問題の答えは教科書の最後のページに書いてある

きっと自然と『考える力』が現代の若者はなくなって来ていると思います。

もちろん僕もその1人でした。

しかし、障害者の方から毎回のようにもらう『なんで』のおかげで

自分で考える能力が少しついたのと

『当事者に目を向ける』ことの大切さがわかりました。

僕の周りの同級生に

なんで理学療法士なりたいの?って聞いたら

『患者さんにありがとうって言われるのが嬉しい』
『スポーツで怪我をしたから怪我を治したい』

という答えが返って来ます。

僕自身も高校生の時からずっと
『秋田を変えたい』ということを言っていました。

でも僕はこの考えって全部"自分目線"なのかなって思っていて

きっと本当に大切なのは

当事者の声にどれだけ耳を傾けるか

だと思うんですね。

自分がこうしたい、ああしたい
こんな場所を作りたい、こうやって関わりたい

そうやって自分目線で物事を見るんじゃなくて

この人はなぜ困っているのか?

なぜ僕らに想いを打ち明けてくれたのか?

なんで家から出ないのか?

なんで人と関わらないのか?

そうやって当事者の人に耳を傾けて

その人の『なんで』に対して答えを見つけ出して

実践する

支援の本来の姿はコレなんじゃないかと

僕は今少しですが、自分の中で思っています。

1年前言っていた

『秋田を変える』

その方法はきっと

秋田の支援が必要な人の声に耳を傾けて、その解決に向けて行動していくこと

その中で仕組みを作り、文化を作り、地域を作っていく

これが僕の現時点での秋田を変える方法なんだと思います。


僕らは将来医療人になり、社会に出ます。

これから医療の業界でもAIが入って仕事は少なくなっていくと思います

そんな中で僕らに求められる力は

『なんで』から答えを導き出す力

その人その人にとって違う『なんで』に対して考える力

これは人間にしか出来ないことだと僕は思っています。


グループホームで働いて1年

『なんで』と向き合う日々

僕はこの『なんで』をこれからも大切にしたいと思います。

その現場、現場で出てくる『なんで』に対して

自分で考えて答えを出して

これからも実践していきたいと思います。

僕が重度障害者に教えてもらったこと

『なんで』について考えることの大切さ

まだまだなにもわかってない学生ですが、

今できることを一つ一つ

挑戦していきたいと思います。

その一歩として今回サークル内で学生の勉強会を企画しました。

是非楽しみにしていてください!