2024.5.25から5.26の2日間、早稲田3大行事として早稲田祭、所沢祭と並ぶ、早稲田精神昂遥会が主催する本庄早稲田100キロハイク(実際は130キロ)、2024.第61回に参加し完歩した。

一夜明けて脚腰は動かず、なんなら熱も出た。
筆者は運動神経はそこまで良くなく、というか悪く、50メートル走も9.6が最高記録だったような、1キロ走5分は必ずかかる(そもそも途中で走れなくなる)ような、体育評価リアルに3だったくらいの大学生女である。そんな私が一切のトレーニングなしで2日間130km歩いた感想がこの記事である。

ぜひお楽しみあれ。



目次
1.自分最高 なんだこの全能感
2.仲間
3.早稲田魂

最後に



 1.自分最高 なんだこの全能感


キモいタイトルで申し訳ない。
100キロハイク、通称100ハイは本庄から早稲田までの間を6区間に分けられた130キロのルートで、3区ずつ2日間で歩くというクレイジーなものだ。
しかも1日目の夜は体育館(今年は東京家政大学の体育館)で寝袋(無しの輩もいた)で雑魚寝、シャワーは事実上なし、睡眠は最長で5時間弱という環境だ。


こちらがちょい詳細なスケジュール概要である。


開会式 学生注目楽しい。早稲田伝統の「縛り」の紹介もされた、今年は陰謀論縛り、男の夢縛り、エロ宮銀次郎縛り、指名手配犯縛りの4つがあった。個人的に推しは陰謀論縛り。みんなまだ元気だからめっちゃ盛り上がる。

1区 朝9時ごろに出発。正直余裕、景色良い、気持ちいい、みんなの仮装面白い、楽しい、傾斜なし。

と思っていた矢先、問題の2区。一言で言うと地獄。
2区は山道30キロを丁度太陽がギラギラしてる時間帯に歩かなければならない。普通にリタイアしようと思った。この辺で足に豆ができ始めるため、安全ピンで潰してテーピングする(これはマニュアルに書いてるくらい一般的、みんなやる)。

3区 夕方から23時までかかって歩き切ったが、夜は人の精神状態を追い込む
寒い、暗い、疲れた、眠たい、そして何より、「また明日も歩く」と言う事実が重くのしかかり、最後の1時間、歩きながらなぜか涙が止まらなかった。

1日目夜 洗面所激混み。わかっていたことだが、事実上洗顔は不可能。シートで汗まみれの体を拭き、着替え、ドライシャンプーで汚い頭を誤魔化し、硬くて冷たい床の上で寝袋で寝る。私は大丈夫だったが、多くの人が寒くて何回も起きたと話していた。貧血で倒れる人もいて、さらに落ち込む。
ゴキブリがいたりしてもうやめたかった。
正直明日はもう歩けないだろうと感じていた。みんなで足をマッサージして、湿布貼って、足を頭より高くして、起きたらなぜか早稲田についていることを祈りつつ寝る。

2日目朝5時 最後の気力を振り絞り起床。

4区 所沢キャンパスまでの道のり。正直まだ大丈夫。しかし割とみんな鎮痛剤をドーピングする。

5区 山道…自転車ビュンビュン…そっから本庄早稲田高校までずーっと歩く。本当にずーっと。しかもそっからまた休憩所までも本当にやばい。足の裏が死ぬほど痛いけど一歩ずつ踏み出す。

6区 閉会式に間に合わせるために限界を超えたみんなで超早歩き。信号で走ったりして脚がつって前に進めなくなっても、とにかく、とにかく前にくらいつく。馬場が見えた瞬間涙がとまらない。いつも汚い高田馬場がもう、キラキラに見える。

閉会式 完歩賞貰えて嬉しいっていう言葉なんかじゃ足りないくらい嬉しい。校歌、紺碧の空を全員で熱唱。早稲田魂がこれ以上ないほど燃え上がる。自分は絶対やれないと思ってたし、1日目の夜精神的にも肉体的にも追い詰められてたあの時を思って本当に、自分で自分を感動させられたことが嬉しい。自分を好きになれる。この経験を糧に、まだまだやれるって未来の自分を信じてあげられると確信している。なかなかこんな限界を直に感じる機会なんてない。

100ハイ最高にイカしてる



 2.仲間


1で散々「自分最高自分すげえ」とか書いてあるが、実際最高なのは仲間だ。「この苦しみ、この痛みに、みんなが耐えてる、自分だけできない理由なんかない」って言う気持ちにさせてくれるのはもちろん、みんな極限状態のはずなのに「大丈夫まだ行けるよ」「絶対一緒にゴールしよう」と励まし続けてくれる。


なんなら話したことない知らない参加者のひとと歩いて仲良くなったりする。通行人の早稲田の先輩や、もちろんそうでない人も応援の声をかけてくれる。マジで嬉しい、応援の力を知る。ゴールしたとき、(読んでいてわかってもらえると思うが)私のこの素晴らしい語彙力でも、言葉に表せないくらいの気持ちを共有できて、こんな素晴らしい瞬間を死ぬまで忘れたくないと感じた。


 3.早稲田魂


この大会の主眼である早稲田魂、早稲田精神。

100キロハイク、ずっと「なんで歩いてるんだろう」と思っていた。
昂遥会の学ランを着た目のガンギマった皆さんが「頑張って〜」とゲラゲラ笑いながら車で追い越して行ったり、


「なんで歩いてんの?」

「歩き疲れたなら走れ」

「We look down on you」(なぜ)

「あと100キロ」

「リタイアは恥ずかしいことじゃないよ、俺は笑うけど」

「100ハイマジック(100ハイでカップル成立的なあれ)は、無い」


などの看板を持っていたりしているのを見ながらもずっと感じていた。


なんで歩いてるんだろう。

多分、100ハイに理屈なんてない、OBの方々がみんな「早稲田らしい行事だなあ」とおっしゃっていた通り、100キロを、大勢でマジになって歩くという行為そのものを尊ぶ精神が、この100ハイの主なのだろう。


しかし、私が最後まで頑張りきれた理由は「自分を好きになるため」ということだった。自分との約束を守り切るって本当に難しい、だって他の誰にも関係ないから。でも、その約束を守りきれない弱い自分を目撃し続けることは、何よりも自分を信じてあげられなくなることに繋がってしまう。それってめっちゃ苦しい。


途中「もうやめよう,本当に無茶だ」と弱気になってしまったが、今回これを最後まで頑張りきれたことで、早稲田精神を追及するとともに、自分をまた一つ好きになれた。完歩して本当によかった。


 最後に


皆それぞれの想いがあって歩き切った。それぞれこの100ハイに懸けるおもいがあったのだろう。

このページをここまで読んでくださった皆さんは、何かしらのかたちで100ハイに興味を持っていることだろう。

私から1言言わせてもらうとするならば
絶対に出ろ。限界に挑戦しろ。逃げるな。
という謎に上からの3言だ。

100ハイ実行委員長の学生注目から言葉を借りると、
「明日以降
なんで100キロも歩くみたいな変な行事に参加したの?って聞いてくるバカがいるかもしれない。
そんな奴に教えてやれ。
おまえになかったのは時間でも金でもない。
早稲田精神だ


人生に4年しかない(はずの)早稲田大学に在籍する期間、あなたも早稲田精神感じてみよう!

やらない後悔よりやる後悔、後悔させません(?)


長い長い記事をここまで読んでくれてありがとう、とにかく100ハイ出よう‼️‼️まってるぜ💪