【2006年の日記】
YAHOO!ジオシティーズより、このブログに転載して、保存します。

******************************************************

できる奴は、全訳を書かないと、気がすまない!


受験生時代には気づかないものだが、予備校講師の主たる仕事は、受講生を満足させることである。予備校を卒業して、改めて考えてみると、授業を受けて、満足したかどうかの気分の問題が大きい。比較の対象は、もちろん、高校の授業。ところが、高校の授業時間は、「受験英語対策」には、短すぎる。出席を取るのも合わせて、長くて50分。いまだに、このような事態が続いているのだから、教育の責任の所在がどこにあるのか考えない国になってしまったという某知事の発言にも、素直に肯ける(うなずける)。

「英語」などという面倒なものが得意な日本人など、そもそも、あまりいない。マラソンに向いているという人の数ぐらいしかいないだろう。早稲田大学の過去問の英語長文に出た驚くべきセンテンスがある。

●「えらい人物は、語学は、やらない。時間の無駄だからだ。母国語で、ものを考える。」

といった主旨の文章だったと記憶する。この入試問題と同じ英文が、群馬大学でも出題されたという。ものを考えなくなりつつある受験生諸君に警鐘(けいしょう)を鳴らすために大学教授が出題したと想定できる。・・・・・・高校の50分授業で早稲田大学の入試英語長文が理解できる生徒は、クラスで1人か2人。予備校だと、倍近くの講義時間があるから、30パーセントの受講生は何とか理解する。もちろん、予習をしてきての話。この集団が、早稲田大学に合格する。。。。目で読み、パッパッと、全訳を書き、予習を終える。

「全訳など、書いていたら、目で読めなくなる」というウワサがあるが、

●できる奴は、目で読む作業と、訳を書く作業の両方をやってみないと、気がすまない。

井川治久先生は、高田馬場の大教室の教壇で、授業を延長してまで、★手抜きせず、全訳を熱く語った。。。。★「延長の井川」と、受講生みなが呼んだ。師いわく、高校2年生の1学期から、ずっと全訳を書いているスゴイ男がいる。あいつが授業を受けていると、特に手が抜けない、、、と。当然のことながら、早稲田大学にストレート合格を、成し遂げた。井川ゼミ卒業の壽里竜氏。関西大学(准教授)に出世され、ネットで検索できる卒業同窓生だ。 (2006年1月、同窓生、記す。)