まだ高校三年生なのに、早稲田界隈のアパートで暮らし始めて、早稲田大学以外にもいろいろ有名な建物があることを知った。
都電荒川線、
インド大使館、
高木ブーの散歩、
田中角栄邸、
おしゃれな目白通り
早稲田界隈を知る暮らしが気にいっていた。
ところがある日、
西早稲田のアパートの部屋に一枚の電報
「ヌマコウカラレンラクアリ、スグカエレ」
ヌマコウ(沼田高校)から連絡があってすぐ帰れという内容だが、僕には思い当たる節はなかった。
期末テストが全部0点でも計算上、卒業できる単位は取れるはずだった。
出席日数も早稲田遠征以外は休んでないので、大丈夫なはずだった。
翌日
沼田に帰ると、
母静枝
「もうおまえは何したんだい?ほんとにおっそろしい!」
吉野
「ぜんぜん理由思いつかないんだよ!なんで呼び出されたんだろう?」
母静枝
「あたしゃやだよ!」
吉野
「とりあえず沼田高校行って来る!」
母静枝
「そうしとくれ、そうしとくれ!」
母静枝にせかされるようにして、僕は自宅から歩いて三分の沼田高校へ向かった。
吉野
「先生、なあに?」
担任の金子先生
「吉野、どうして期末テスト受けなかったんだ?」
吉野
「あっ、もう早稲田で暮らしてるんです!」
担任の金子先生
「えっ?まだ早稲田大学を受験もしていないのに、アパートを借りたのか?」
吉野
「やるでしょ?」
担任の金子先生
「その自信はたいしたものだけど、期末テストは別だろう?」
吉野
「成績悪くてもいいんですよ!」
担任の金子先生
「吉野、成績の問題じゃないんだよ。期末テストを受けないこと自体が問題で、職員会議にもおまえの名前が出てるんだよ!このままだとおまえは卒業できないぞ!」
吉野
「マジですか?早稲田大学合格したとしてもですか?」
担任の金子先生
「そうだ!おまえが早稲田大学合格しても、沼田高校は卒業できないぞ!
ということは大学生にはなれないっていうことだ。
2月22日から24日
毎日午前9時から5時で学校で再試するから来い!」
吉野
「えっ?先生 俺3月1日が
早稲田大学社会科学部の入試なんだけど!」
担任の金子先生
「ほんとうか?」
吉野
「嘘ついてもしょうがないでしょ!」
担任の金子先生
「だよな!じゃあ学年主任の先生と相談して、おまえの受験勉強もできるような再試にしてやるから、とにかく来い!」
吉野
「はい、わかりました!」
そして、僕は早稲田受験の直前は
沼田高校に三日間缶詰めにされて、再試のような受験勉強のような、あまり意味のない三日間を過ごすことになった。