資本主義への全面戦争 | 大学からJリーグ参入を目指す WASEDA UNITED社長のブログ

資本主義への全面戦争

先週末は奥さんと一緒にレイトショーで『アバター』を観賞してきました。
アバターと言えば『3D』で話題になっていました。
株式市場もこれに反応して3D関連銘柄が盛り上がったりしていたり。

ただ、映画が始まってしばらくしてからは、3Dとかはあまりどうでもいいというか、
ジェームズ・キャメロン監督が伝えようとしてる『本質(ストーリー)』が気になるようになってきました。

あまり詳細を書くとネタバレになるのであれですが、
『資本主義 vs 自然、愛、絆、自然科学』 の対立が見えてくるんですよね。
で、圧倒的に資本主義側が悪(強欲の塊)になっているわけです。

こういった哲学を、こういった芸術的作品に落とし込んだジェームズ・キャメロン監督はさすがだなぁと思います。
3Dという手法と作品の内容でマスを惹き付けて、『資本主義批判』を哲学としてぶつけています。
マイケル・ムーア監督なんかは、それを露骨に映画にしちゃうんだけど、結局言いたいことはすごく似ている。

資本主義と言えばアメリカ?みたいな価値観は世界中であるのかもしれませんが、そのアメリカ人がこういった映画を作ることに、何か国として揺らいでいる部分があるのかもしれません。ジェームズ・キャメロン監督も今後は広島の原爆に関する映画を作るとも言っているらしいし、どうやら映画を使った社会風刺が目的らしいですね。

個人的にこの映画で表現された『資本主義への攻撃』を見て、「何か違うな・・・・・」と思ったのは、
資本主義を完全な『悪』にしてしまっていること。

『資本主義 vs 自然、愛、絆、自然科学』 という構図はすごく分かり易いですが、
資本主義を追求する理由が『愛や絆や科学』である場合もあるということ。
子供の病気を治すためにお金を追求する人もいれば、自然科学の発展のためにお金を求める組織もいます。

資本主義側のエピソードに『それ』を加えてもらえれば、正義と悪の単純な戦いでなく、もっと人間の複雑な心理状態を描けるのに・・・・・・・。なんだかもったいない気がする。本能で『強欲』をもとめる人はたしかにマズイですが、人間そんな単純じゃない。家族だってあるし、生活だってあるし。

そういった意味で、この映画は『資本主義批判』に少しバイアスを掛けすぎなのかなと感じました。

でも、あのファンタジー感はめちゃくちゃ面白かったです。

The ART of AVATAR ジェームズ・キャメロン『アバター』の世界 (ShoPro .../ピーター・ジャクソン(序文)