正月休みが明けた頃から微熱が続き、くしゃみや鼻水・咳にのどの痛み等々、
例によって、風邪の諸症状が続いていて、ちょっと良くなったと思うとまたすぐにぶり返して
結局、もうそろそろ一か月近くほとんど風邪を引いたままのようなウザい状態が続いている。

市販の風邪薬を飲んで完治するでもなく、かといっても、不用心に医者なんかに行くと
さまざまな病気にかかった人間がもろびと挙ってそれこそうじゃうじゃと病原菌を抱えて
わんさか集う待合所に何時間も放置される方が、尚更よっぽど体調が悪くなってしまう。

その上、町医者の多くの医院では、入り口でわざわざ
小汚いスリッパに履き替えなければならないのも、
医者に行くのを躊躇させるに十分な憂鬱な原因の一つである。

もちろん、そのスリッパたちは無論、開院以来一度だって消毒や清掃など、
皆無なことは容易に想像出来る。
酷い時には、ご丁寧に一足づつ重ねてあって、足裏がじかに触れる面と
院内の便所を含む、全ての床に触れる汚れた面がキッチリと抱き合っているそれらが
大きな段ボール箱などに無造作に投げ入れられていて、そのばい菌がわんさか常駐しているスリッパを、わざわざ手に取って足元に置き、履き替えなければならない憂鬱。

かろうじて、手に取らずに床に落とし、足を使って器用に履くことも出来るし、
脱ぐ時も足でスリッパの入った段ボール箱や下駄箱に返却することもできるのだが、
いかんせん、よりによって待合室の暇なジジイババア共の視線はその行動を見逃さない。

もちろん、手は帰宅すれば石鹸で洗うが、スリッパから移ったばい菌どもは靴下の足裏に
しっかりと憑依して、靴の中にも当然はびこってしまう。
こうしてやすやすと院内感染した病原菌どもは各家庭の床へと運び込まれるのである。


『 医者嫌い 』や『 病院嫌い 』になるための極々簡単な要因は、
上記のスリッパの汚さや病原菌の院内感染の恐れの他にもまだまだたくさんある。

待合室での他人との接近・触れ合わざるを得ない状況。
① 高齢者や幼児等の廻りへの配慮をしないせき込みやクシャミによる、ばい菌の飛散。
② 大声をあげて、元気に走り回るクソガキども、ビャーギャー泣きわめいても、一向に気遣いもしない図太い母親とベビーチェアーを武器に、ブルドーザーのように人垣をかき分けて我先に図々しく突進むヤンママども、自分のガキが隣の席に座った他の人の太ももに土足でケリを入れても知らんぷりでシカトするモラルも礼儀も持ち合わせない厚顔の母親たち。
③ 待合室の受け付けや診察室の呼び出しで、看護師や呼びだしスピーカーで大声で連呼すフルネームや、大勢の待合人が聴き耳を欹てている中での「 ご本人確認のために生年月日をお聞きします」と無理矢理言わされる個人情報。
④ 薬局に処方箋を持って行っても、ほぼこれらと同じ状況と、更には万人の待合人の目前で病状や薬の名前、容易にどんな症状で何の病気か想像せずとも分かってしまうような大声での薬剤師の確認の声。個人情報の漏えいに煩い現代の日本の現状に退行するこのような愚行にも、うんざりである。
⑤ とどめには今まであげたそんな辛気臭い待合所での長時間の待ち時間は
まるで治るものも治らない、むしろ悪化してしまいそうな精神的にも苦痛の極みの
まさに地獄の苦しみのひとときを過ごさなければならない状況が、医院や病院に
行きたくなくなる心境にさせるに十分な要因である。

まぁ、よっぽどの症状でもないかぎり、病院なんて行きたくもないし関わりたくもないが
どちらにしろ風邪にかかってしまうのは、甚だ迷惑で無駄な時間の浪費でしかないことは紛れもない事実である。