バレンシア着物クラブが作成した展示プランの表紙


コロナ禍でイベント中止の危機!起死回生をめざした企画の中身は...

 

1.展覧会「Kimono-伝統からモード」: 2021年10月28日から2022年2月28日まで

(1)バレンシア着物クラブが所有する着物と小物約50点の展示

 着物クラブのメンバーが長年かけて集めた着物や和装アクセサリーのコレクション約50点を展示。

 季節、用途、立場にあわせた着物の種類、素材・製法の説明などをパネルなどで説明。

 色打掛、留袖、振袖、訪問着、付下げ、小紋、色無地などの各種着物、丸帯、袋帯、名古屋帯などの各種帯、髪飾り、帯留め、根付などの小物を展示。

 

 ☆期待できる効果:

  ・着物に馴染みのないバレンシアや観光客の人々が、実物の着物を観覧し、その種類、製法、用途などを知り、着物そのものやその背景にある着物や日本の文化を知り興味を持つきっかけとなる。

 特に、中世以来、高度なシルク製造の文化と伝統があるバレンシアの人たちにとっては、同じく長い歴史と高度な絹の文化・伝統を持つ日本の文化に対し、これまで以上に親近感を持ち親日家を増やしていくことに繋がる。

 ・バレンシア在住で着物愛好家のメンバー達(主要メンバーでは私だけが日本人)が地道に収集した着物と、2012年のバレンシア着物クラブ発足以降、着物や日本の文化について学んできたことの発表の場である。このような場を与えられることは、メンバー達が更に着物や日本文化について学び、着物や日本文化を愛する仲間を増やし、ひいては、着物を含む日本文化を世界に広げていくための重要なワンステップとなる。

 

(2)日本の作家の作品(絹の着物に関係する物)展示

 幅約2.5mのガラスケース1つの展示コーナーに、月替わりで、海外未発表の日本の作家の作品を展示。

 参加予定作家(敬称略)

  阿部遼(紅型工房 あしび) https://www.instagram.com/aberyo0123

     野口佳代(刺繍作家) https://atelier-chikuchiku.com/

 

  ☆期待できる効果

  ・観覧者(主にバレンシア市民やスペインの他地域・欧州各国からの観光客)日本の伝統技術を真摯に学びそれを継承しつつも独自の作 品を創作している日本の作家達の作品を間近に観覧し、芸術作品としての着物の世界に触れる。

  ・日本の作家にとって、海外へ作品を発表していくことへの第一歩となり、海外の人たちからの作品に対する反応により、これからの作品作りに刺激となる。日本の着物市場は、バブル期をピークに年々縮小し、現在では良質の絹を入手することさえ(高級呉服市場に絹を供給していた中国の生産者が呉服市場の縮小で生産しなくなってきた)難しくなるほど、衰退の一途を辿っている。そんな逆風の中、若手作家たちは将来に不安を持ちつつも、日々、技術の習得と新しい物の創作にまい進している。そんな日本から世界に目を向け、自らの作品の力を試してみたいという希望を持つ若手作家が出てくることは自然なことで、本イベントがそういう想いを応援する場となることが期待される。

 

2.日本文化フェア 2022年2月中旬(日本とスペイン双方での新型コロナウィルスの感染状況によるため、詳細は未定)

 

(1)能・狂言公演

    2010年3月に行われた国際交流基金マドリード文化センター開設記念・能楽スペイン・ポルトガル公演で好評を博したが、マドリード、バルセロナ、リスボンの開催地以外、特に、マドリード・バルセロナに次いで人口が多いバレンシアでも公演して欲しかったとの声に応えるもの。

 本件については、国際交流基金海外派遣助成プログラムに応募し、採択されるか否かの結果待ちのため、予定している能楽師のメンバーや日程については、現段階では公表できない。

 採択された場合は、シルク博物館の中庭にて能楽師による謡いと仕舞いのデモンストレーション、バレンシア市内劇場にて2日間oの能・狂言の公演の予定。

 

(2)講演会: 「日本の伝統技法(和柄デザインなど)の製品開発への応用」

   シルク博物館にて絹織物業者向け公演

   バレンシア工科大学産業デザイン学部大学院での公演とワークショップ

 

(3)日本文化交流会

    シルク博物館の中庭にステージを設け、着付け及びエスコートダンス(着物を着た社交ダンス)のデモンストレーション及び日本食オー

   ドブルと日本酒の試食・試飲。

 

(4)日本観光プロモーション

    JNTO(日本政府観光局)マドリード事務所の協力を得て、観光プロモビデオ放映、パンフレット配布など