「不確実性 超入門」の内容と感想を紹介していきます。
「不確実性」への対処は個人的に課題に感じていたため、読んでみました。
こんな人にオススメ
- 自分の将来が不安な方
- 未来・将来の見積もりが苦手な方
- 株式投資に興味がある方
内容
ざっくり説明すると
- 未来のことを予測するのは不可能。
- だからと言って未来のことから目を背けるのではなく、様々な可能性を検討したうえで柔軟にやり方を変えていこう!
という内容でした。
不確実性の二つの原因
筆者は不確実性の原因としてランダム性とフィードバックというものを指摘しています。
ランダム性とは、ものごとは原因ではなく確率に従って結果が出るという性質のことです。
例えばコイントスをして何回連続で表が出ても、次に表が出る確率は変わらず1/2です。
フィードバックとは、前の結果が次の結果に影響を与える現象のことです。
例えば株式市場における「売りが売りを呼ぶ」という現象もこのフィードバックで、ブラックマンデーでもこの現象が絡んでいたとされています。
さらにフィードバックには結果を良い方向に増幅させるもの、悪い方向に増幅させるもの、収束させるものの3種類が存在します。
これらの2つの現象が複雑に絡み合い、物事は不確実になっていくと筆者は考えています。
人間心理
人間にもともと備わっているバイアスによって「一人が間違えたら全員が同じ方向に間違えてしまう」ということもあります。
以下が原因となるバイアスの一例です。
- 過剰な因果関係づけ
- 自己奉仕バイアス(うまくいったのは自分のおかげ、失敗したら人のせい)
- 自己正当化の欲求(失敗を直視できない)
- 同調
また以下の理由から不確実性なことが起きてもうまく対処できないことが多いです。
- 不確実性の過小評価
- 予測への過度の依存
長期的に成功するためには...?
ここまで見てきた通り、将来を予測することはほぼ不可能と言っても過言ではないでしょう。
ただ、将来のことから目を背けるのも賢明な判断とは言えません。
上記のような一つの予測に依存するのではなく、色々なケースを想定したうえでやり方を柔軟に変えていくという方法が必要なのです。
また長期的という視点を考えると、勝率よりも得失点差に注目する必要があると筆者は指摘しています。
長期的な将来のことを考えようとすると不確実なことが増えます。
そのため小さな失敗は受け入れ、立ち直れなくなる損失だけを避けるというマインドを持つことが大切だとされています。
感想
不確実性というぼんやりしたものについて言語化されており、とても勉強になりました。
具体例は株式市場に関するものがほとんどだったので「他のことにもあてはまるのか?」と疑問に思いましたが、考えてみたら相場≒世の中なので割と幅広く当てはまるかもしれませんね。
長期的に成功するための行動は少しありきたりにも感じましたが、将来の予測は難しいので結局は基本的なことが大切なんだと感じました。