「作家の収支」のあらすじや感想を紹介していきます。
著者の森博嗣さんは「すべてがFになる」や「スカイ・クロラ」シリーズなどの作品を描かれており、アニメ化やドラマ化、映画化を経験されています。
また現在は作家業を引退されていますが現役時代は多作で、この本が出た当時(2015年)で携わった作品は約100冊だったそうです。
そんな森さんが作家にまつわる収入を細かいところまで紹介してくださっています。
こんな人にオススメ
- 小説家(森さん)の収入、支出について興味がある方
- 森さんが考える小説家の未来について興味がある方
内容
小説家の収入源は?
基本的な収入源は以下の2つになります。
- 原稿料
- 印税
前者はどんなに良い作品を書いても悪い作品を書いても変わらず、原稿用紙1枚あたり4000~6000円だそうです。
一方で後者は印刷された本の10~12%(文庫本が10%、単行本が12%)なため、多く印刷されるほど収入が増えていきます。
ここで注意すべきなのは、印税で重要なのは「本がどれだけ印刷されたか」ということです。
そのため極論を言ってしまうと、1冊も売れなかったとしても出版社が印刷さえしてくれれば印税は入ってくるのです。
その他の雑収入としては以下のものが上げられます。
- 対談
- インタビュー
- 講演
- ドラマ化
- 映画化
- 解説(文庫本の巻末にあるやつ)
- 帯コメント
- 入試問題で使われる
- 電子書籍
対談やインタビューは書籍化されると印税が入ってきます。
またドラマ化や映画化がされると原作の宣伝になり、売り上げが増えることもあるようです。
小説家は今後、どうなっていく?
小説家やコンテンツが多様になっている中で大きなヒットが出しづらくなってきています。
その中で売れていくために筆者は2つのことが大切だとしています。
一つ目はマイナーなものを作ることです。
小説はどんどんマイナー化しています。
多数の人にアプローチするのではなく、特定の層に深く刺さる作品が売れていくと筆者は考えています。
二つ目は多作になることです。
作家を目指す方に向けて、賞を取ることも大切だけど、作家になった後の視点(書き続けられるかを考えること)も大切だと書かれていました。
感想
ここでは省略しましたが年ごとの印刷部数も紹介されており、意外と不労所得になっていると感じました。
そのため作家って成功すれば夢のある職業だと思いました。
また小説家の今後について考察されている部分はとても興味深かったです(ページ数は少なかったですが笑)。
特に「どんどんマイナー化していく」という意見は小説に限らずマンガや映画、YouTubeなど全てのことに当てはまると思い、とても共感できました。
森さんの著書「小説家という職業」も読んでみたいなと思いました!