「失はれる物語」の内容、感想を紹介していきます。

インスタで表題作「失はれる物語」の紹介を見て面白そうだと思い、読んでみました。

この短編集はどの作品も主人公が孤独なため、孤独を感じている方には刺さるのではないかなと思います。

 

 

こんな人にオススメ

  • 孤独を感じている方
  • 人間関係に悩みを抱えている方

内容

主人公は皆、事故や人間関係による孤独を感じています。

しかし彼らは各々、新しい出会いや別れを通して人生を前向きに進んでいきます。

「失はれる物語」(表題作)

気づいたら私は暗闇の中にいました。

感覚はなく、体を動かすこともできませんでした。

私は交通事故で右腕以外の感覚を失ってしまったのです。

そんな中、私のいる病院にはとある人が毎日お見舞いに来ていました。

それは私の妻でした。

「しあわせは子猫のかたち」(個人的に一番好きだった作品)

"ぼく"は一人きりで過ごしたくて、大学を実家から離れたところに決めました。

新居はおじが持っていた一軒家。

そこでは半年前、前の住人である雪村サキが殺されていましたが部屋はきれいに手入れされていました。

家には雪村の飼い猫も住んでいました。

その猫の行動を見ていると、あたかも雪村がまだ生きているかのように感じさせられて来るのでした。

感想

表題作は感動系を期待してしまいましたが少し寂しい終わり方でした。

「しあわせは子猫のかたち」は初めこそ不気味ですが、とても心が温まる作品でした。

孤独を感じている方には特にこの作品をオススメしたいです。

ここでは紹介してはいませんが「マリアの指」という王道のミステリー作品も収録されており、短編にしては長めでしたが面白かったです。