「…あれ?マッチがない」
「えー嘘ー。
晩御飯作れないじゃん!!」
「バーベキューの材料、
沢山用意したのはいいけど火が無きゃ作れないね(笑)」
「ホントホント(笑)
どうしようね…」
中学から大学まで女子校で過ごしている自分。
今日は中学のときから仲良しの4人組でキャンプ場に来ています。
全員一致でちゃんとしたお風呂に入れないのは嫌だってことでキャンプ場に来たんだけど、
完璧な自然は無理ってところに私たちのお嬢様気質が出ちゃってるよね。
……冗談です。
え?なんで女子だけでキャンプなのかって?
あのね、別に好きで来てるワケじゃないから。
大学に進学してサークルを探していたら、
仲の良い先輩からアウトドアのサークルを勧められたのでいつもの4人組で入ってみることにしただけ。
抜けるタイミング失ったし、まぁ一回くらいは活動してみようかって話になって。
……と言うわけで私、今キャンプ来てます。
で、バーベキューしようと火を起こす段になって……マッチが無いと言う。(笑)
ちょっと途方に暮れるよね。
だって火がなきゃ夕ご飯も食べられない。
せっかくこんなにもお肉買って来たのにぃ~!!
「あの~…」
………ん?
知らない男性に声をかけられた。
身長は私と同じくらい…いやちょっと高い、かな?
顔は…かっこいい?かわいい?
なんだか中性的な丸顔。
身体は細身に見えるけど、捲った袖から伸びる少し焼けた腕は逞しい。
「はい?なんでしょうか?」
「よかったら、火、ありますけど…」
彼の手にはマッチ。
ふんわりした笑顔でそれを差し出してくれている。
「…え。お借りしてもいいんですか?」
「いいですよ~。
俺たち、もう使ったんで。
いいよね、ニノ?」
「あぁ、いいんじゃないですかね?
どうですか、翔さん。
もうマッチは必要ないですよね?」
「うん。もう大丈夫じゃないかな。」
「翔ちゃん、もう食べていい~?」
「いや、まだだろ。(笑)
……あ、コレいけそう…ぁつっ!!」
「松潤、自分でだめっていったじゃん!
抜け駆けするから、ヤケドするんだよ~」
「………うん。
使っていいみたい。
どうぞ」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
その男性からマッチを受け取ったとき、
「え~、一緒にやればいいじゃん!
バーベキューでしょ?
君たちの鉄板も持って来てさ、
みんなで賑やかにやろーよ!」
と、長身で茶髪の男の人から声をかけられた。
「……どうする?」
「入れてもらう?」
「あの人たちが鉄板を移動してくれるなら、私はいいよ(笑)」
「よし、じゃあ入れて貰おうか」
その男性5人組に向き直り、
「…じゃあ、よろしくお願いします!」
頭を下げた。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
「んー…さとし、また行くの?」
「あ、起こしてごめん。
行ってくるよ~」
「……いってらっしゃい」
3年前キャンプ場で出会った私たち。
バーベキューのときに連絡先を聞かれたので教えたところ、
1週間後に連絡がありその翌日会うことに。
それから仲良くなり晴れて付き合うことになって。
1年前に智の家の合鍵を貰って、
「一緒に住もう」
って言われたまではいいんだけど………
あの人、仕事以外はほとんど釣り。
2人で出かけたのなんて………もう3ヶ月前じゃないかな?
まぁね、自分の時間がないとダメなひとってのも分かってるつもり。
今をトキメク嵐さんですからね。
お陰さまで仕事のほうも忙しくさせてもらってるみたいだし。
でもさ、一緒に住んでるのに5日に一回くらいの頻度でしかちゃんと顔を見れないなんて……
苛つく気持ちを抑えつつスカスカのダブルベッドから降り、
起きぬけの水を飲んだ。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
「え?17日から?」
「うん。一緒に夜釣しない?」
ニコニコしながらそう言う智。
……あぁ~めっちゃ可愛い………。
じゃなくて。
彼女を夜釣に誘うか、普通?
「……まぁ、いいけど」
「よし、じゃあそれまでに準備しておいてね」
「分かった」
コイツ……
17日の夜からってことは、
もちろん日は越して18日になるってことで。
その18日は私の誕生日ってことで。
…こんな提案してくるってことは、私の誕生日忘れてるってことで。
まぁ……いいんだけど、ね。
だってさ、せっかくできた休みを私の
ために使ってくれるなんて嬉しいよ。
……本人はそんな気全くないみたいだけど。
でもその1日は智の隣にずっといられるわけじゃん?
本当贅沢だよね。
贅沢だけど、なんか悲しい……。
……まぁいっか。
当日まであと3日。
ゆっくり準備しよっと。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
「さーとーしー。
釣糸、やってー。
私わかんないよ、コレ」
「いいよ~。
………はい。できた。
あ、ちょっとそれとって」
「これ?」
「うん。それ」
「あいよ~」
「あとそこのバケツもとって」
「………ん、」
「ごめん、ルアーケースも」
「え~もう頼み過ぎ~。
…まぁいいんだけどさ。
ルアーケースってこれ?」
「ん、それ。
で、フタ開けて一番キラキラしてるやつとって」
「一番キラキラ……?
ぁあ、コレか。
……ん?
………………え?」
呆然として顔を上げ智の顔を見る。
「…ふふふ。
智穂、誕生日おめでとう。
それ、プレゼント…プレゼント?
なんて呼んだらいいのかわかんねぇや」
「だって……
コレ、裏に
Satoshi×Satohoって書いて……
ふ、ふ、Forever Love…って……」
指輪を持つ手が涙で滲んで見える。
「…そろそろ、さ。
家だけじゃなくて、名字も一緒にして欲しいな、って。
えっと。
…智穂さん、結婚してください」
今まで見たことがないくらい真剣な眼差しでそう言った智。
いつもは可愛らしくふわふわ笑っているその顔が、緊張しているのが分かる。
不安だったのかな?
でも何が……何が、不安なのだろうか。
私はずっと、ずーっと智について行くって決めてるのに。
私は手の甲で涙をぬぐい、満面の笑みで智の顔を見た。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
智穂、誕生日おめでとう!!
今日は私の親友であり、妹であり、彼女である智穂の18歳のお誕生日でして。
(18歳とか私と一緒じゃねぇか!)
(姉妹設定どうすんだよ!!)
なにかプレゼントを、と思ったんですけど。
気持ち悪いピュアアラシックを謳う智穂へ贈る小説がピンクなのもどうかと思ったので、ピュアファンタジーです。
改めて。智穂、お誕生日おめでとう!!
今年は受験勉強があって大変だと思うけど、頑張ってね!!応援してます。
おわり




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